主婦たちのざけんなョ!!| 若さは何にも優る武器なのだ
(再放送)2010/11/08 9:00~ (初回)1992/01/10 21:02-22:52 金曜ドラマシアター CX 「不倫防虫剤の効能」 脚本 中園美保 演出 鈴木雅之 桃井かおり 南美江 横山めぐみ 友里千賀子 長塚京三 「愛しの冷蔵庫」 脚本 塩田千種 演出 星田良子 岸本加世子 一色彩子 嶋田久作 「仕切り魔の涙」 脚本 清水曙美 演出 藤田明二 泉ピン子 石井富子 立石涼子 西岡徳馬 |
これは1992年の2時間ドラマだが、どうやら人気シリーズだったようで、
主婦編で3本、OL編で3本、ただの「ざけんなョ!」というのも10本も作られた。
私は90年代にドラマというものをほぼ見なかったので、まったく知らなかった。
それらのほとんどすべてに関わっているのは「ハケンの品格」で有名な中園ミホという脚本家である。
今季ドラマでは「ナサケの女」を書いている人ですね。
(そのほか、ランナウェイズじゃない、フジテレビドラマ部長の鈴木雅之の名も見える)
いずれも、最近はドラマであまり見ることのできない人(泉ピン子を除く)が主演していて、物珍しい。
「不倫防虫剤の効能」は桃井かおりの主演である。 都電沿線の荒川区とおぼしき平屋に姑(南美江)と三人住まい、南美江は小うるさいわ、小姑は3人も子供を連れて出戻って、女中のようにこき使われるわ、夫の長塚京三(まだ若い)は、会社で80年代的に眉毛の太いOL(友里千賀子)と80年代的に不倫をしているわ。 ひたすらボンヤリした嫁で、みんなの言うことをハイハイと聞いているのだが、最後にストレスを爆発させて、ざけんなよ、と呟いて、薄々、爆発をおそれていたみんながギョッとするという話。 |
「愛しの冷蔵庫」はバブルの残滓がぷんぷん臭う話で、調布の一軒家に引っ越してきた広告代理店勤めの嶋田久作一家の話。 | |
「ワンランク上の生活が始まるのね~♪」とるんるんしている妻が岸本加世子、その生活の象徴が、新しい東芝の冷蔵庫である。 「勝手に氷」はわかるが、岸本加世子がしきりに「背筋ピーン!」とやる(可愛い)のは、冷凍室が下にあるから冷蔵室のものを取り出すのに屈まなくてもいいという意味のキャッチコピーなのだろう。東芝は当然スポンサーで、岸本がCFに出ていたのだろうか。この12:58あたりのクラシオという冷蔵庫が、これだろう。 冷蔵庫ばかりでなく、近所づきあいで、引越してからの出費は、シーマ(笑)にダックスフント、買い物は高い紀伊国屋に行かざるを得ず、奥様ランチは3000円のAセット(高杉w)、最後に500万円のリゾートクラブ会員に誘われて、財布を預かる岸本がブチ切れる、という話。 |
「仕切り魔の涙」の主演は、まだ若い泉ピン子である。 やっぱり若さというのは顔の良し悪し以上の魅力の源なのだね、ピン子も悪くは見えないのである。 旦那の西岡徳馬はうだつのあがらないサラリーマンで、昔のワープロ(文豪みたいなの)で、小説を書いたりしている。 テキパキした性格のピン子は、スーパーのレジ打ちのパートなどしているのだが、PTAから町内会、女子高時代の同窓会など、どこへ行っても幹事役を押しつけられ、手帳は会合の予定でびっしり、熱を押して同窓旅行に出かけるのだが、仕切り魔扱いされていることを知り、ざけんなよ!とプンプンしながら帰宅。夫と子供たちが留守宅で自堕落に生活しているのを見てまた激怒する。しかし夫が昇進したことを知ってほっとし、少しだけ反省するという、なんとなくハートウォーミングな話。 いつもカレーか手巻き寿司、というのが“手抜きの夕食”の表現になっているのが興味深い。 |