ゲームの達人
アカデミー出版、まだあったのか…
最初に目にしたのは80年代だったが、
すでにそのとき、ハヤカワ文庫にも入っていたはずの『真夜中の向こう側』(シドニイ・シェルダン)は
数百万部に達するベストセラーになっていた。
超訳という言葉はこの会社の登録商標で、
いわば翻案に近い、大胆なリライトである。
天馬龍行という筆名の社長が自らこれをやっていて、
シドニイ・シェルダンは彼に全幅の信頼をおいているというのだが、
当時の週刊文春に、そんな翻訳とはついぞ知らなかったシドニイ・シェルダンが、
怒りのあまりぶるぶると震える、という記事があったのを覚えている。
その後続報がなかったのは、飛ばし記事だったのか、和解したのか、シェルダンももうこの世にいない。
もっとも、翻訳というものの事情や文化的位置づけは、各国で大きく異なるという。
訳者の名前が著者に次いで大きく表紙に刷られたりするのは、日本ぐらいのものらしい。
文春がツッコむまでもなく、広告からして、いかにもあやしい会社なのだが、
しかしながら本が売れていたのは正真正銘の事実で、
編集や広告のあらゆるセオリーをぶち切ったあれらの本が750万部も売れたと聞いて、
自分の仕事がヒジョーにむなしくなったものであった。
時代は変わり、本自体がまったく売れない今、「新超訳」(と写真の広告には書いてある)は再びベストセラーとなれるのだろうか、
