夏子と天才詐欺師たち|大阪+スマートなコンゲーム、ブレンド失敗 | テレビドラマに夢中!

夏子と天才詐欺師たち|大阪+スマートなコンゲーム、ブレンド失敗


2010年8月14日
21:00-22:51
朝日放送・テレビ朝日系列
脚本:大石静
監督:長沖渉
音楽:梅林茂
協力:東通企画、東通ライティング、アイネックス、MBS企画
プロデュース:深沢義啓、内片輝、志村彰
製作協力:The icon
製作:朝日放送

*cast
鏑木夏子:藤山直美
権藤和則(詐欺師チームボス):岸部一徳
桜田富士子(詐欺師チームメンバー):鈴木京香
北島雄一郎(詐欺師チームメンバー):高知東生
奥田幸男(詐欺師チームメンバー):多賀勝一
高杉喜和(クラブのママ):純名里沙
鏑木茂(夏子の父):佐川満男
猿山一郎(民自党衆議院議員):ベンガル
桂川昌夫(銀行の頭取):曾我廼家玉太呂
小倉厚志(銀行の支店長):曾我廼家八十吉
タクシー運転手:井之上チャル
その他:市川奈穂、大橋梓、三輪美優、緒方ちか、田村ツトム、廣芝友孝


$テレビドラマに夢中!-夏子と天才詐欺師たち

あらすじ
東大阪で小さなネジ工場を営む父、茂(佐川満男)と二人暮らしの鏑木夏子(藤山直美)。父は宝島銀行から2000万円の融資をしてもらうが、突然4000万円の返済を迫られ、工場を競売にかけられるという危機に。絶望に打ちひしがれた夏子はメロンパンを万引きして教会の懺悔室で神父の権藤(岸部一徳)に罪を告白するのだった。かつては大手の銀行マンだった神父・権藤の正体は、グリフター=詐欺師。結婚詐欺を生業とする美女・富士子(鈴木京香)、印鑑・書類関係を偽造する奥田(多賀勝一)、情報収集役のホスト・北島(高知東生)の4人は、かつてチームで詐欺を働いていた。もう2度と詐欺はしないと決めていた権藤だったが、支店長からお金を取り戻すためにチームゴンドーを復活させる。夏子も詐欺だと知りながら、父のためにグリフターの世界に足を踏み入れる――。


主演は藤山直美、言わずと知れた藤山寛美の三女(5姉妹だが、長女・次姉は母の連れ子)である。
脚本の大石静によれば「基本的にはテレビに出ない人」であり、
NHKのテレビ小説には多く出ているし、
阪本順治の映画「顔」で良い演技を残していたりするが、
基本、大阪の舞台の人で、東京の人間には知名度が低い。
ということで、これは裏番組だった倉本聰「帰國」に対抗した、
大阪・朝日のスタッフ、監督・長沖渉も大阪の人によるお盆のスペシャルドラマである。
(大石静は東京の人だけど)
舞台はもちろん大阪、それも東大阪市(東京で言うと大田区?)、
ストーリーは大阪らしいカネがらみ、
というコテコテの予感に、半分退きながら見始めたのだけれど、
結局、大阪っぽさはなんだか、いささかわざとらしい感じ。
大阪のおばちゃんである藤山直美の芸が中心だから、
詐欺で与えられた「修道女」「女編集者」「和装の奥様」やらの役を演じる、
という七変化が楽しいところのハズなのに、
そのへん、形だけになってしまってる。
そもそも岸部一徳とラブストーリーになるのが唐突で、納得いかない。
冒頭から裏切り、最後のサゲまで、
基本的にコンゲーム物のフォーマットに沿った筋立てで、
恋愛のサブストーリーも教科書通りみたいな感じだが、
謎の女である鈴木京香の扱いも含めて、そこがすごく未消化と感じられた。

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