テレビで楽しむプロ野球 -20ページ目

テレビで楽しむプロ野球

テレビで野球観戦し続けることウン10年のプロ野球ファン。CS放送以外のジャイアンツ戦は全て録画してでも観戦しています。日々の観戦ノートを元に、1カードにつき1記事ぐらい、書いています。

 1戦目、ジャイアンツ先発の宮國投手は1回、3人でピシャリ。ところが肩の違和感により急遽降板。2回からマウンドに登ったのは福田投手でした。元々フォームに躍動感のあるピッチャーですが、この日はいつも以上。久しぶりにイキのいい投げっぷりを見させてもらったように思います。鑑賞しがいのあるマウンドでした。
 フォームや球そのものだけでなく、この日は首の振り方にも鑑賞しがいがあったように思います。
 2回、ツーアウトランナーなし。打席にはルーキーの川端選手。彼はファウルで粘りをみせました。そして、フルカウントからの9球目のこと。阿部捕手のサインにはほとんど首を振ることのない(と記憶してます)福田投手が、なんと首を大きく振ったのです。それも阿部捕手のサインに対して3回も。最初は、大きく振りすぎるぐらいに「絶対にその球はイヤだ」と駄々っ子のような振り幅。2回目のサインに対しては、「それも投げたくない」と言わんばかりの中ぐらいの振り幅。3回目は「ちょっと違う」とほんの少し傾ける程度の小さな首振り。それほど何度も振っては持ち球がなくなってしまうのではないかと心配してしまうほど、すんなりサインに頷かなかったのです。
 そうしてようやく投げる球の決まった9球目、川端選手をセカンドに討ち取りスリーアウト。けれども、この9球目は逆球でした。阿部捕手は真ん中にミットを構えていましたが、福田投手の球はアウトコースへ。コントロールより勢いで抑えるピッチャーとはいえ、この日は逆球の多いこと、
多いこと。ことごとく、逆球、逆球。
「今の、逆球ですね」
「投げ終わって福田が阿部に頭を下げてましたけど、完全なコントロールミスですね」
と与田氏も口にしていたほどでした。おそらく、阿部捕手の構えたミットにすんなり球が収まったのは、打者一人に対して1、2球どまりだったように思います。キャッチャー泣かせのコントロールもここまで逆球が多いと、一貫しているようで潔い。けれども、これではいくらなんでも、この日の福田投手の球のキレや勢いだけでは、打者を討ち取りきれない。そう判断して、コントロール不足を補うため、紛らわせるために、首振り作戦なるものを、肝心なポイントで決行したのではないでしょうか。打者を惑わせ、勘ぐらせ、揺さぶる、心理作戦です。
 次の回、3回も、4回も、テレビカメラが捉えた範囲でですが、打者を追いこんだところで首振り作戦が見られました。追いこんで首振りがなかったのは、4回の大引選手のときだけ。たとえば3回、鈴木選手の打席では1ストライクでも一度首を振りましたが、追いこんでからは3回首を振り4回目で頷き、逆球でサードゴロになんとか仕留めました。4回、後藤選手の時には追いこんでから2回首を振ってから頷いて、逆球で空振り三振。こうして、追いこんでから首を振るピッチングで、2回、3回、4回と三者凡退。バファローズ打線を完璧に封じたのでした。結局、福田投手は2年ぶりの勝ち投手に。

 思い起こせば、岡島投手も、東野投手も、西村投手も、先発ピッチャーの思いがけない急な降板により、想定外のマウンドへと駆り出され、そこでナイスピッチングを披露。突然訪れたチャンスをモノにして、チームの中で自分のポジションを確立させていったのでした。
 野球は9回ツーアウトから、と言います。長嶋さん流に言うなら、野球はホテルに帰って「うどん」を浴びて「シャワー」を食べてから(もちろん「うどん」「シャワー」は長嶋流言い間違え)。いつ何が起こるか分からないのです。この「いつか」が「いつ来ても」いいように、どん欲に周到に、準備を怠らずにいたからこそチャンスを確実に掴み取ることができたのだ、とも言えるはず。
 福田投手の場合、突如の登板というチャンスを与えられた後も、マウンド上でなおもしぶとく、どん欲に周到に、首振り作戦を取り入れつつチャンスをモノにした。そう捉えて称えたいところです。
 ただ、これは阿部捕手のサインだった気配も大。なぜなら、第一回首振り作戦決行によりスリーアウトを取りベンチに戻る際、こんな瞬間が見られたからです。阿部捕手がマスクを取ったときにテレビに映し出された横顔には、白い歯がこぼれていたのです。チームが5点を取った次の回、きっちり抑えるべき回を無事0点に終えて流れを相手に与えなかった安堵、というよりは、明らかに「してやったり」の歯のこぼれ方。さすが女房と感じさせる笑みでした。


G×Bu @東京ドーム
5/16 NHKBS 宮田アナ、解説:与田剛
5/17 BS日テレ 町田アナ、解説:赤星憲広

 
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 地方球場での試合中継は、テレビ画面に映るおきまりの映像も、いつもとは別の光景に見えます。球場のライトの数や角度や光の加減などがいつもの球場と違うために明るさや色彩も変わっていますし、カメラが設置されている場所がいつもと違うせいか、球場全体の距離感や空気感にも新鮮さがあります。特に、外野スタンドに奥行きのない球場が多いため、外野の向こうに球場周辺の風景が画面に映り込むところは、地方ならでは。山の稜線に、広い空に、木々の丸いフォルムなどなど。特に、夕陽のうつろいによって、球場に差し込む太陽光線が変化していく演出は素敵です。やっぱり野球は屋外でプレイされるほうがふさわしいスポーツなのだと思わせてくれます。
 この2連戦の舞台は秋田こまちスタジアム。久しぶりに見ましたが、なんて美しいスタジアムでしょう。海まで1キロ。スタンド上方からは海岸線も見えるそうです。引きの映像で印象的に映るバックネット裏後方の屋根は、米粒をモチーフにしたものだそう。
 なかでも、なにより、だんとつに美しさをテレビ画面で主張しれくれていたのが、内野の黒い土と、その黒い色に映える濃緑色を輝かせている外野の天然芝でした。この日はあいにくの雨模様。その雨の与える湿気が、天然芝の色をより濃く見せてくれていました。
 さらに、アナウンサーいわく「現在の体感気温は3、4度」とのこと。よく見ると、一塁ランナーの阿部捕手からは白い息が風に流れているではありませんか。そんな選手の吐く息と、画面でも確認できる雨粒の白いつぶつぶ模様に、球場全体を薄い白色でやんわり包み込むモヤ。天然芝の色の美しさに、幻想的な色合いが加わったよう。野球の舞台のほうにも目を奪われる1戦でした。
 寒いうえに降雨。これでは、選手も観客も大変。けれども、そんなマイナス条件がプラスの映像となってもたらされたのは、テレビ観戦者にとっての旨味といえます。ただ、試合途中で中継が終わり、あっけらかんとしたコマーシャルに否応なく切り替わってしまうのは、苦味、渋み、というより、不味いです。球場名の秋田こまちとは大違い。

 
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G×YS @秋田こまちスタジアム
5/12 フジテレビ 吉田アナ、解説:平松政次、金村義明
5/13 CSのみ
 ジャイアンツで同時代に活躍した原監督と中畑監督。両監督が初めてジャイアンツの本拠地で戦うことになったこの3連戦、それぞれがアンパイアに抗議するシーンがありました。

 原監督は、2戦目に三振の判定に対して抗議。目はギロリとしていましたが、時間は短め。アナウンサーいわく、原監督は、判定をくつがえすための抗議ではなくて確認のための抗議というスタンスが多く、今回もそのようだ、とのこと。江川氏は、試合の流れを相手にいかせないためのもので、いい抗議だ、と語りました。その思惑通り、流れをなんとかジャイアンツが握ったままジャイアンツは逃げ切り勝利しました。
 中畑監督も、3戦目三振をめぐって抗議。激しい口調とキャッチャーの構えのポーズをとる身振り手振りも交え、エスカレート。引き下がる気配がありませんでしたが、アンパイアとの間に高木コーチが入るとあっという間にクールダウン。誰かがなだめてくれるのを待っていたかのようでしたから、チームを鼓舞するための抗議だったのだと推察できます。それが伝わったのか、次の回、チームは同点に追いついたのでした。

 アンパイアに対する監督の抗議というものには、穏やかなスタイルもあれば、激しいスタイルもあり、流れを相手によこさない意図もあれば、チームを鼓舞する意図もある。ひと口に抗議といっても、内容はさまざま。単に、判定に対して抗議するための抗議ではない抗議というところが面白い。
 もうひとつ、面白かったことがありました。それは、中畑監督の抗議中に、キヨシコールが涌き起ったこと。ジャイアンツのホーム球場だというのに、懐かしい往年のキヨシコール。バックネット裏にもお客さんのうれしそうな顔が並んでいるではありませんか。そういう点では、両監督の今回の抗議、中畑監督のほうに軍配。


G×YB @東京ドーム(1戦目のみ宇都宮清原球場)
5/8 BS日テレ 町田アナ、解説:篠塚和典
5/9 BS日テレ→日テレ 村山アナ→新谷アナ、解説:江川卓、桑田真澄
5/10 BS日テレ 田辺アナ、解説:堀内恒夫


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