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テレビで楽しむプロ野球

テレビで野球観戦し続けることウン10年のプロ野球ファン。CS放送以外のジャイアンツ戦は全て録画してでも観戦しています。日々の観戦ノートを元に、1カードにつき1記事ぐらい、書いています。

 9回裏の日本の攻撃、1人目の打者の中田はピッチャーゴロ、2人目の坂本はショートゴロ。どちらも内野安打にはなりそうもない当たりとコースのゴロでした。だから、二人とも一塁まで全速力で駆け抜けなかった。雨でぬかるんだグラウンドであっただけに、最後の力を振り絞れば怪我の可能性はゼロではない。長いペナントレースを控えたプロ選手、しかもチームの主力であるプロ選手としては当然で仕方ない走りだった。そういう見方があります。

 ただ、この走りによって「打線」が切れてしまった。そういう見方もあります。

 

 「打線」という言葉は、打者が連続してヒットや進塁打を打った場合、特にそれが得点につながった場合に使われるものです。たとえば、「打線がつながりました!」などとアナウンサーは発します。一人一人の打者が塁に出たり、走者を進塁させた時に、「打線」という言葉は強く意識されるわけです。

 言い換えるなら、攻撃側に有利な塁上の動きが「目で明らかに確認」できれば、一人一人の「打」者が「点」ではなく「線」としてつながった、という意味合いで使われています。

 でも、これはちょっと違う。限定された「打線」という言葉の用法だと思うのです。なぜなら、野球は走攻守、心技体で成り立っているから。目に見えない要素もあって、打線にも該当します。

 

 今回の9回裏の攻撃場面で言うなら、中田と坂本の「走」です。彼らが、確実にアウトになることが分かっていても、一塁まで全速力で走れば「打線」はつながったのではないでしょうか。

 つまり、前の打者の「走」という「技」が、「心」として伝播する。その「心」が、次の打者の「攻」に伝わる。そういうふうに「打線」がつながった可能性があったと思うのです。さらには、諦めない姿勢は相手チームに対して「守」のプレッシャーを及ぼすこともあり得る。結果、続く打者が出塁し得点にも結びついたかもしれません。

 「打線」にも見える面と見えない面があるのです。

 

 9回裏の日本の攻撃、1人目の打者の中田はピッチャーゴロ、2人目の坂本はショートゴロ。どちらも内野安打にはなりそうもない当たりとコースのゴロでした。けれども、高校球児のように全速力で走ればどうだったのだろう。

 選手の怪我の可能性がゼロではない、と同時に、サヨナラゲームの可能性もゼロではなかったのではないでしょうか。たとえ一塁でアウトになったとしても、一人一人の打者が打「線」となり、それが「波」となって試合を揺り動かす可能性があった。「打線」が大きな「打波」となって、相手を「打破」していた。かもしれません。

昨夜は長嶋さんのインタビュー番組を観た。今朝は清原のニュース。清原のこんな文章を、ずーっと前に書いたことを思い出しました。暦をめくってみると。昨日も今日も満月とはほど遠い形のお月さん。

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 あと3本。「達成可能な数字」だけが、期待がふくらんだ理由ではありませんでした。大きな理由は、テレビの後ろにある窓から見えた夜空にあります。そこには、まんまるの月。この月が、わたしの高揚感をかきたててくれたのでした。清原選手は今夜、2000本目のヒットを打つのでは…!、と。

 20世紀最後の皆既月食(=満月)とニュースに取り上げられた何年か前のある日の試合でも、清原選手は逆転ホームランを打ちました。長嶋さんに並ぶ444号を達成した開幕2連戦の夜にも、まるい月を見た記憶があります。苦手としていた藤井投手から満塁弾を含む2本のホームランを彼が打った日もそう。試合を決定づけるホームランを放ったり、翌日の紙面を賑わす活躍をした夜、窓の外やテレビ画面の中に、まるい月を目にすることが少なくありませんでした。先月の満月は5月5日。清原選手は延長10回、決勝3ランをレフトスタンドにたたき込んでいました。
 結局この日、清原選手は2000本達成とはいきませんでしたが、逆転3ランとタイムリーヒットで4打数2安打4打点。大記録の達成は、翌日となりました。もちろん、前日と同じようなまんまるい輝きが、ゆっくりと夜空を横断していました。

 満月は人間にパワーを与えるという話があります。清原選手は、無意識のうちにそんな力を享受して発揮しているのではないでしょうか。どれだけ技術を磨いて、身体を鍛えて、精神的な強さを養ったとしても、それとは無関係な、自然の領域から与えられる力というものがあっても面白いのではないかと思うのです。まるい月が浮かぶ夜空を横目にワクワクしながら野球を観戦するのも、わるくありません。

 3年前の10月1日、ジャイアンツのユニフォームを着た長嶋監督のラストゲーム。けれども、ジャイアンツは完封負けを喫してしまいました。そんななか、清原選手はひとり猛打賞。そして、上空には、まるい月。
 この日の場合は、月の形がどうであれ、清原選手はヒットを飛ばしていたことと思います。
※10年以上前に書いたものです、あしからず。

 ライトスタンドにぽっかり丸く浮かび上がった空席は、まるでミステリーサークル。ちらっとテレビ画面に映っただけでしたが、33安打が放たれたグラウンドの熱気と、サークル外から声援を送る観客たちの揺れ動く波とは、明らかに一線を画した様相を呈しています。この一帯が空席になることはまず考えられませんし、試合序盤にミステリーサークルはなかったはず…。

 異常事態に、わたしはビデオでの野球観戦を一時停止。1時間ほど巻き戻してみることにしました。すると、やはり、ミステリーサークルはまだ出現していません。後ほどそれが浮かび上がる場所を占拠していたのは、黒装束の一団でした。
 ビデオ調査を進めると、この一団は、21時すぎにはすでにミステリーサークルと化していたことが判明。時刻から察するに、宿へのチェックイン、夕食、入浴、消灯時間の逆算による現象だったと考えられます。そういうことだったとは。…黒装束の一団=修学旅行生、は、後ろ髪を引かれる思いで球場を後にしたにちがいありません。
 何を隠そう、この日は、勝利の女神の心が読めないゲームだったのです。
 黒装束一団の思いなどまったく意に介しないかのように、ゲームはいちだんと活気をおび、目が離せない展開に。とりわけ、一団が去った直後の回ときたらありません。何度ライトフィールドが白球でにぎわったことか。ライトへのヒットはもちろん、フェンス直撃の3塁打、右中間への二塁打、フェンスにぶつかりながらのジャンピングキャッチ、ライトよりからのセンター強肩野手のバックホーム送球、ライトスタンドに飛び込む同点3ラン…。その後も毎回のようにランナーがダイヤモンドを盛り上げ、12回裏にサヨナラ。試合時間、5時間16分の熱闘でした。
 宿へと帰ってから、修学旅行生たちが、団体行動のすき間にスポーツニュースを見る時間はあったのでしょうか。しり切れトンボの生観戦とはいえ、球場の雰囲気を肌で感じることができたのは、いい経験になったことと思います。けれども、この日、ゲームセットまでライトスタンドに座っていたなら、修学旅行の思い出はもっと刺激的で感動的なものになっていたのではないでしょうか。
 まるで生きているかのようにグングン、ムクムク、と自分の座っているスタンド方向へ近づいてくる白球の様子や、フェンスに選手や白球がぶつかる鈍い音、魔法をかけたかのように白球を遠くへ投げる選手の姿。その試合ならでは、ライトスタンドならではの光景を、ぜひ、目の当たりにして欲しかったと思うのです。団体スケジュールとはいえ、残念。
 翌日のゲームも接戦でした。終盤に逆転2ランが放たれ、ライトスタンド上方の壁を白球が直撃。そのとき、はっきりテレビ画面に見て取れました。またもや、ミステリーサークル。