テレビで楽しむプロ野球

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テレビで野球観戦し続けることウン10年のプロ野球ファン。CS放送以外のジャイアンツ戦は全て録画してでも観戦しています。日々の観戦ノートを元に、1カードにつき1記事ぐらい、書いています。

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「今のような筋トレマシンが現役時代にあったなら、それを使ってみたかった。そうして体を大きくしたらどんな打球が飛ばせるようになっていたか。見てみたかった」。

といったことを、落合氏はテレビで語りました。この発言は私には意外でした。

 

なぜなら、特に古い時代のプロ野球OBには、昨今の筋トレを否定する傾向があるからです。

筋トレ志向は、上半身と下半身といった身体全体のバランスを失わせる。だから怪我する選手が増えた。野球のための筋肉は野球によってつけるべき。特に走り込みが重要。

というのが、彼らの言い分です。大いに納得できます(野球以外のある現役プロ選手も、その競技によってつける筋肉が大事だと発言してました)。テレビ的に映えることもあり、存在感をムキムキと主張する筋肉が肉体改造の成果などと紹介されがちですが、ここをもてはやすのは疑問です。ボディビルダーのように見た目に威圧感や力強さを感じさせるような筋肉が、野球選手に必要なわけではありません。見た目よりも、野球をプレイする際に上手く機能する筋肉こそ重要。見た目も機能も兼ね備えていれば最上でしょうが。

 

OB諸氏と同じように、落合氏も、筋トレは否定もしくは条件付きで身長に歓迎するのかと思いきや、「やってみたかった」とコメントしたのでした。意外と感じると同時に、さすが!と嬉しくなりました。

一口に筋トレと言ってもその方法は多種多様。ですから落合氏は否定しなかったのだと思います。かといって、「筋トレしていたならもっとホームランを打っていただろう」とも吹かない。自分で体感しないと判断できないと考えたのではないでしょうか。ただ、「筋トレの機会があったならばチャレンジして、どうなるかを見て見たかった」という想像は膨らませるわけです。引退して長年経過していたって、感覚が現役視点で鈍らず曇らずポジティブシンキング。いいですね。今なお、バッティング同様、頭も柔らかい。

 

こういう人物には一刻も早く球界復帰してほしいものです。「オファーがあればユニフォームを着る」というご本人の発言に過剰に嬉々と反応せずにいられましょうか。願わくば、DH制ではないセリーグ。中日時代、自らマウンドへ歩み投手交代する姿は含蓄豊かでした。また見たい。

あくまで「結果論」ですが、9回表の頭から竹田投手は交代したほうが良かったのではと考えてしまいます。

 

その理由は、野球セオリー。言い換えるなら、数式化されていない「野球公式」にあります。このケースの公式における因子の中心は、「投手」ではなく「打者としての竹田選手」にあります。中でも影響の大きい因子は、「竹田選手が直前回の最終打者だったこと」です。他の因子としては、「竹田選手の前の打者が劇的な同点二塁打を打ったこと」「二塁にランナーを置いて履正社にとって初の一打勝ち越し場面で、竹田選手が打席に立ったこと」「2ボールという打者有利なカウントから竹田選手はボール球に手を出してフライアウトになったこと」「履正社は後攻めだったこと」「竹田選手がアウトになりベンチに戻る際の表情の揺れ」などが挙げられます。さらに言うなら、せめて「9回先頭打者に初球を安打されたこと」という「投手としての竹田選手」の因子が追加された時点で交代しても良かったのではと考えてしまいます。

もう一度、これは、あくまで「いまさら論」「たられば論」。

 

ただし、野球公式には因子が多過ぎます。他の因子、たとえば「竹田投手の気持ちのスイッチ力」「竹田投手のレジリエンス力」「二番手投手の調子」など、ベンチにしか分からない因子が、他の因子よりも大きな影響を持っていたかもしれません。だから、竹田投手は9回もマウンドを任せられた、と。

 

野球公式は因子が多過ぎるだけでなく、エントロピーも常に増大中。必ず正解値を示す絶対的な公式なんてないけど、たゆたう野球公式が存在していることは確か。だから策に選択肢と可能性があれこれあって、言うまでもなく面白い。

 

5回表、ノーアウト1・3塁。杉山選手のレフトフライを岡本選手はキャッチ。レフト線よりでもなく、フェンスよりの深さもなく、ランニングキャッチする必要もない飛球でした。点差も考えれば三塁ランナータッチアップは仕方ありませんから岡本選手は捕殺する素振りもゼロ。ところが、一塁走者にまでタッチアップされて進塁を許します。滅多に見られない珍しい光景でした。

 

こういった外野フライが飛んだ時、普通の野球観戦者がイメージするのは肩より上、目に近い頭のあたりにグラブを構えてのキャッチ。これが見慣れた光景です。ところが、この時の岡本選手のグラブは左側の腰の位置。その位置でキャッチしてから右腕を引いて送球するという、次の動作に切り替え時間にロスが生じたところに原因はあります。あらあら、もったいない。

 

一瞬の隙を衝いて次の塁を狙うのが野球。ですから、次に取るべき動作を考えたプレイを選手たちは追求します。WBCに出場していたキューバのサントス選手は走りながらの打法。「打つ→走る」の切り替え時短を考えた分かりやすい例です。キャッチャーの捕球法や内野手の足の運びになどにもそういった動きが見られるのは、野球ファンの知るところ。

 

ただし、この日は開幕。秋までの長期戦を見据えた作戦の一つだったと考えるのはどうでしょう。岡本選手はもともと三塁手の入団3年目。今シーズンから初という出来たてホヤホヤの外野手につき、雑味はいいけど、隙あり。そういう認知を相手チームに対してゲームの中で視覚的にも植え付けておけば、相手はレフトを狙う。右打者なら無理に引っ張ろうとするかもしれませんし、走者なら多少浅くてもタッチアップするかもしれません。

そこで巨人は裏を衝く。投手は配球に活かせますし、何より岡本選手自身がアピールできます。レフトフライを腰の位置で捕球した後、サイドスローのクイックモーション送球! クイックモーションも、オーバースローやサイドスローの投げ分けも投手だけの特権ではありませんものね。

 

岡本選手はクイックモーションの極秘特訓中かもしれません。いつ秘技が披露されるのか。背番号は長嶋さんと原さんを並べたスゴイ数字だけに、待ち遠しい。