不妊治療始めてから10年...⑮ | いよいよアラフィフ

いよいよアラフィフ

約10年間にわたる不妊治療の末、
授かることは出来なかったけれど、
得たものもありました。
40代後半に差し掛かり、治療のあれこれを
振り返りつつ、日常を綴っています。

ちょうど40歳になった時、

クリニックに通うことをやめた。

 

そしてちょうどその頃にまた

A子が色々と話しかけてくるのだ。

 

もうそんな話をする気力もなかった私は

治療を休む、と言うより

もう子供は諦めた、と

A子に言った。

 

あれこれ聞かれるのもしんどかった。

 

そしたら、その話を別の人に

A子はしていた。

そして、その別の人から

「諦めたらあかんわぁ...」

と言われたのだ。

 

「???!!」

私は声も出なかった。

A子にだからと思ってした話を

全く他の別人にされてたことが

その時初めて分かり、

私は絶句した。

 

A子と同じクリニックに通っていることも

知られたくなかった。

まだ不妊治療を続けていることも

知られたくなかった。

 

もう二度とA子には関わらないでおこう、

そう思った。

 

そしてA子はその数か月後に

治療の結果、妊娠したことを

LINEで報告してくる。

 

「私、やっと妊娠しました」

 

しばらく返せなかった。

 

そして自分を責めた。

なんであの時、諦めたなんて

言ってしまったんだろう。

 

本当は休んでるだけって

まだチャンスがあるなら

頑張ろうと思ってるって

言わなかったんだろう。

 

でも、本当に頑張れるかなんて

あの時は自分でも

分からなかった。

 

お金も飛んでいくし

何もかもがしんどくて

早く解放されたかった。

 

A子に色々聞かれるのも

嫌だった。

 

「私、やっと妊娠しました」

 

このLINEの一言に

すんごいトドメを刺された気分だった。

 

そして私は

「おめでとうございます!

身体、大事にしてね」

なんて心にもない言葉を

送った。

 

「ありがとうございます!」

その後に何個か返ってきたけど

もう忘れた。

 

それ以降、A子とは連絡を

取らなくなった。

 

風の噂でA子は無事一人目を産み、

その2年後には二人目も治療で授かり、

そのまた2年後には

予期せぬ3人目も妊娠中だとか。

 

母親になったA子から

連絡が来ることも全くなくなった。

 

続く