この記事は、6月に妊娠判定陰性を受けて、書いた記事です。

長くなってしまって、7月になり、2度目の妊娠判定陰性を受けてしまった。

 

記事の内容は、1回目の移植~その妊娠判定陰性の時の事です。

 

 

 

 

私の第1回胚移植は、陰性で幕を閉じた。

 

体外受精初心者の私が、自分で調べたことや考えた事などをまとめました。

同じような状況の方がいたら、何かの参考になればいいと思います。

 

 

 

ちょっと長いので、目次

 

 

1.着床しない理由

 

2.精子の状態のこと

 

3.受精卵のグレードと成長する力

 

4.染色体異常

 

5.私なりの、体外受精との向き合い方

 

 

 

こんな内容を書いてます。

アメブロ、タップで飛べる目次機能はなさそう?

 

 

 

 

 

 

1.着床しない理由


たまごが悪かった。

先生はそう言った。

妊娠判定のため、クリニックへ行った時のことだ。

血液検査の結果、妊娠していないことが分かった。

「着床していない、そのまま流れてしまったようだ」とのことだった。

 

着床すらしないって相当ヤバいのか?と心配になり、自分は大丈夫なのか、妊娠できるのか、先生に聞いてみた。
「あなたは着床しますよ、たまごが悪かったんです、まだ受精卵が2つ残ってますから、次の周期も移植を頑張っていきましょう」

励ますように、そう話された。

先生が着床できると断言するのは、1年前に私がこのクリニックで妊娠しているので、着床障害はないことが分かっているからだ。

 

「たまごが悪い」って、つまりどういうことか。

何となく分かるようで、よく分からない。

 

先に結論を述べると、「たまごが悪い」とは、「染色体異常がある」ということ。

流産した時に、胎児側の原因です、と言われるやつと同じ。

 

私たちは、これからも体外受精にトライしていくつもりなので、知っておいた方がいいと思い、この機会に色々調べてみた。

受精卵のグレードや、染色体異常のこと。

以下、私の事や、今回の結果を通して私が考えた事など、個人的な内容を書いていく。

体外受精初心者の話だが、参考になれば良いと思う。

 

 

 

 

2.精子の状態のこと

 

今回、私たちは顕微授精をした。

採卵時に提出した持ち込み精子は、運動率が基準より低かったため、顕微授精となったのだ。

よく見る言葉だと「精液所見」というやつが、基準以下だったということ。

 

ここで気になる精子のステータスだが、これは初期メンバーのまま一生戦わなければならない卵子とは異なり、毎回ガチャで決まるようだ。

精液検査の時は異常なしだったのに、想定外の顕微授精を案内されて夫婦ともに激しく動揺した。

価格表を見てすらいなかったためである。一体いくらになってしまうのか。

 

金額はさておき、精液所見である。

精子の能力値というのは、その時々で毎回大きく上下する例もあるらしく、あまり気にしなくていいそうだ。

大事なのは、良い卵子と良い精子を受精させ、それらが移植可能な受精卵に成長することである。

今日採れた精液の調子が悪くても、次は良いかもしれないし、デバフは顕微授精で解除できるから、運動率が悪いだの奇形率が高いだの、逐一ガチャ結果に拘って一喜一憂する必要はないらしい。

 

 

顕微授精なので、培養士の方が選び抜いた良い精子を、受精能力があり受精の準備の整った成熟卵子から順番に受精させて下さったのだろう。

つまり、専属スタッフにアテンドされながら、最高の受精をしたのだと素人の私は考えた。

絶対大丈夫じゃん。

素人の浅はかな妄想で、私は勝手に自信を漲らせていた。

現実は全然大丈夫ではない。

 

採卵した5個の卵たちは、どの子もそれぞれのペースで細胞分裂が進み、すくすくと培養されていった。

その内2個が棄権し、2個は着床しないことを、この時の私はまだ知らない。

現実は厳しい。

 

 

 

3.受精卵のグレードと成長する力

 

移植予定に選ばれたのは、最も育っているLサイズの卵で、4AAというやつだった。

移植前の説明では、「とてもきれいでいい卵」とか「期待できると思う」とか、言われていた。

 

「きれい」とは、どういうことなのか分からず、聞いてみたら、「細胞分裂がはっきりしている」とか、「一つ一つの細胞が大きい」とか、なんかそんな感じの事らしかった。

見た目の形が良い、というのは、どうやらひとつの指標になるらしい。

 

 

移植を終えて手渡された紙には、移植した卵のグレードやら色々書かれていた。

驚いたことに、4AAが、5AAになっていた。

移植前の説明から移植時までの正確な時間は覚えていないが、1時間もなかった気がする。急いで昼食を食べて移動したので、何となくそれくらいだった気がする。

その短時間で5になっていた。

成長速度、これ、生き急ぎ過ぎてない?素人の私は思った。

 

聞いてみると、「しっかりとした成長を見せている」「いい卵」など言われた。

いいのか。

そう言えば、いつから4AAだったのか知らない。それに、4から5に成長する平均速度も知らない。

4AAの時点で「結構いい感じのやつ」というのは、ネットの端々から感じる所であるし、3AAになったわけではないので騒ぐことではなさそうだ。

 

 

グレードが高くても低くても、流産するし出産もする、というのを今までネットでいくつも目にしてきた。

だからこそ、5AAを「良いたまごです」と言われても、私にはよく分からなかった。
グレードの数値が良くても、出産できなければ意味はないのだから。

 

とは言え、「うまくいくかも」という淡く根拠のない期待は、抱かざるを得なかった。

クリニックの方々は、みんな「いいよ!」てアゲて下さるので、ここは雰囲気に飲まれて良い方に捉えておくのが正解だろう。

結果、着床せずに終わったのだが、前向きな思考は常に持っていたい。

 

 

後から分かったことだけれど、今回の卵のように、先へ先へと成長していく力がある胚は、有望だと考えられているようだ。

なるほど、確かに生命力のような感じがするし、成長する力の強い胚を良い胚だとして優先的に移植するのも頷ける。

この小さい細胞が、人間の赤ちゃんになっていくのだから、成長しようとする力を持っているのなら、それだけで期待できる良い胚なのだろう。

 

 

 

4.染色体異常

 

そんなわけで、移植前には散々ちやほやされていた第一回目の移植たまごは、終わってみたら悪いたまごだった、ということになった。

 

4AAとかっていう表示は、見た目、各パーツの大きさや形の評価を表す記号で、染色体異常があるかどうかは分からないらしい。

着床しなかったり、細胞分裂が止まったり、流産したり、そうなって初めて染色体異常があったのだと分かるようだ。

 

いや、そんな最重要なこと、後から分かってどうするの。意味なくない?

それを防いでほしいのに、どうしようもないにも程がある。

 

37歳で初めて妊娠して、流産した。

初期流産だったため、胎児側の染色体異常が原因だと言われた。

次は、絶対にそれは防げる方法で妊活をしたいと思っていた。

防ぐことは不可能なのだと分かった。

 

 

 

 

5.私なりの、体外受精との向き合い方

 

モヤモヤするけど、自力で妊娠を狙うより、プロに頼んだ方がずっとチャンスが増えるので、体外受精に懸けるより他はない。

 

なんなんだろう…。

顔面偏差値が頗る高くても、中身がどうかは体を張って付き合ってみないと分からない、人間と同じである。

そもそも人間の卵なので、同じも何も、人間に違いないのだが、卵の時点でまさか中身と外見の違いがこんなにあるとは思わなかった。

人間は結局こうなのかと、変な方向に八つ当たりをして、無理やり憂さを晴らした。

そう考えると、何となく腑に落ちるというか、そういうもんか、仕方ないか、という風に自分なりに合点がいった。

 

 

ちょっと、勘違いをしていた。

体外受精は自然妊娠とは違い、人の手が加わる高度医療なので、頑張れば確実に妊娠できて、確実に出産できるものかと思っていたが、そうではないことが分かった。

「確実に」は言い過ぎだが、かなり甘く都合の良い幻想を抱いていた。

 

人の手が入ることで、流産を避けられるのではないか、妊娠関連の様々なリスクが自然妊娠よりも低くなるのではないか、という期待をしていた。

つまり、私は染色体異常もある程度分かるものだと思っていたのだ。

 

 

体外受精は、妊娠率が高くはない夫婦へ向けた非常に有用な手段であるが、廃課金で出産確率にブーストを掛けるための手段ではないようだ。

確率は等しく、そこに課金額は影響しない。

ただし、人生のプレイ時間が長ければ長いほど確率は目減りする。

そういうことだ。

 


妊娠も出産も、結局は完全に運である。
高額課金をしたところで、有利に進められるようなサービスもボーナスもない。
壊れかけた船を補修してはくれるけれど、優れたエンジンを付けてくれるわけではないし、海の向こうに辿り着ける保障は一切与えられない。
なんだ、そういうことか。

そう思うと、変な期待もなくなり今後の治療ではニュートラルな気持ちで向き合えそうな気がする。

多分。

 

 

 

 

 

お忙しい中、最後までお読みくださり、ありがとうございます。

すごく長くなっちゃったけど、自分で考えていたことをまとめたかった。

つらい、しんどい、ばっかりだけど、休憩しながら頑張っていきたい。

今、頑張っている方々が、良い方向へ進めますように。

 

 

私もね。

 

へみ(39歳)