雑草記6.25「王子公園問題」 | 海老蔵世代の一市民による自由研究

海老蔵世代の一市民による自由研究

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どうぞ宜しくお願いします。

最初から気に入らない

1951年開園。開園から70年以上。

神戸市は、老朽化が進む灘区の王子公園について、遊園地やプールを廃止し、大学を誘致する案を示していましたが、市民から計画の見直しを求める声などが1か月間で1万件以上寄せられた為、当初の案を廃止したそうです。



公園という名称ですが、広大な敷地に動物園、遊園地、スタジアムなどがある複合施設です。

神戸市の当初案


遊園地、スタジアム、補助競技場、プール、テニスコート、旧ハンター住宅等が無くなり、スッキリとした配置になっています。

王子公園問題は、問題が多過ぎて十把一絡げに出来ず、いくつかの視点に分けて研究する必要があります。

十把一絡げ:じっぱひとからげ。さまざまな種類のものを区別することなくひとまとめにすること。

3つの視点から研究します。


【視点1:老朽化施設】

開園から70年以上の動物園内の遊園地


それほどスリルを感じないユルイ遊具


子供達にとってはこれくらいが丁度いいかも知れません。


子供に目が届くので親御さんも安心です。



デートには使えそうにありません。


安全性の観点から、人気が無く老朽化した施設の廃止はやむを得ず、市民に受け入れられそうな気がしますが、かと言って、動物園と抱き合わせて作った中途半端な面積の遊園地なので、スリル満点の大規模ジェットコースターやウォータースライダーは作れそうもありません。

既存施設を活かすなら、パンダに会える動物園が隣接した日本最大規模の遊具付き市営か公募の幼児施設の開園くらいしか思い付きません。

待機児童解消と人口増加は見込まれる可能性があります。


神戸動物園にはパンダがいます。


旦旦🐼


現在、メスの旦旦(27歳、人年齢換算81歳)一匹。
オスの初代興興は中国に返還、2代目興興は惜しまれつつ死去。


旦旦には世界差年長を目指して欲しい。


【視点2:巨大な立体駐車場】

市の当初案では、大学誘致と共に巨大立体駐車場建設構想が見受けられます。


周りの建物と比べ、不釣り合いな巨大な建物。
景観を壊さないか心配です。

巨大立体駐車場は神戸市が大好きなお得意のパターンです。

例えば、神戸市中央区ポートアイランドにテニスコートが隣接した立体駐車場があります。


立体駐車場だけだと赤字ですが、市の職員も一般人も利用可能な港島立体駐車場テニスコートを隣接して抱き合わせている為、運営を続けています。


現在、駐車場は民間が経営している様です。



要するに、再整備施設等と抱き合せた新設立体駐車場管理の為、神戸市のお得意のパターン、天下りの温床、第三セクターが新誕生し、市民の税金が垂れ流される可能性があります。

誰の為の立体駐車場なのか、近隣住民の理解はあるのか、周辺の景観や交通事情を考慮したものか、地下駐車場ではダメなのか、規模は適切なのか等、イチかゼロから考え直す必要があります。


【視点3 大学誘致】

神戸市の当初案では、スタジアム跡地に大学を誘致する構想でした。

再掲


パブリックコメントや市民団体の集会等では、なぜ大学なのか大学はもう要らないなどの意見が噴出していた様です。



なぜ大学誘致なのかという疑問はごもっとも。

4年間だけ若者が増えても単なる見せかけに過ぎず、根本的な人口増加には繋がりません。

そもそも、他都市から来た大学生が神戸に住んだり、住んだとしても住民票を神戸市に移してくれるかどうかも定かではありません。

想像力が乏しく、大それた事をやる勇気もない、行政の悲しい場当たり的施策の極みと言えます。

確かに、敷地が広大な大学は固定資産税の収入を見込め、大学は小中高生よりも在籍者数も可処分所得も多いので近隣飲食店は活性化するかも知れませんが、最初から大学ありきでは無く、親子の移住が見込まれる幼児施設〜小中高、或いは、専門学校の検討余地もあるかと思います。

どうしても大学誘致に拘るなら、同敷地北側山間部の空き家問題解消と抱き合わせ、親身になって大学生が住みやすく、お金を使いやすく、アルバイトがしやすい街作りをした方が人口増と税収増加効果が生まれるかも知れません。


【今回のまとめ】

神戸市の初案撤回の大きな要因は、最初から大学誘致ありきが気に入らない人達が多くいたからだと思う。