おくりびと
久しぶりに映画を見てきました。
結構話題になっているらしい,「おくりびと」です。
本木雅弘さんが,納棺士を演じている映画です。
この映画の影響で,納棺士を希望する方,葬儀関係の仕事を希望する方が一時的に増えるのでしょうね。
映画の中でも,本木さん演じる納棺士が,友人役の杉本哲太さんから「もっとちゃんとした仕事をしろ。」,妻役の広末涼子さんから「汚らわしい。」と言われたりするシーンがあります。
実際に頭では必要な職業だと分かっていても,なんとなく受け入れられない。
理屈ではそうなんだけど,身近な人には携わって欲しくないという職業なんでしょうか。
この映画のおかげで,多少はそのような偏見は払拭されたかもしれません。
それはそれとして,世間で評判になているほどの映画なのか自分にはよく分かりませんでしたね。
細部がかなりアバウトなので,どうにも気になってしまうところがありました。
まず,本木さんのチェロは1800万円もの値段がするようですが,どのような経緯で手に入れたのかさっぱり分かりませんし,手放した結果どうなったのかも分かりません。
奥さんに内緒で買っており,未払い代金が残っているのは分かりました。
1800万円を分割で買うなら,金融機関から融資を受けることになると思います。
当然,人的,物的担保が必要でしょうが,奥さんは知らないし,不動産を所有しているようには見えません。
また,楽器屋さんは,そんな高価な楽器を買入れてくれましたが,いくらで買入れてくれたのか,そのお金で購入代金全額を弁済することができたのかも不明です。
実家のある山形に引っ越していますが,奥さんはウェブデザイナーの仕事をしていたのに,あっさり辞めてしまったのでしょうか。
そこも不明です。
山崎努さん演じる納棺士は,初めての仕事が奥さんだと言っていました。
それは納棺士となって初めての仕事が奥さんだったのでしょうか。
それとも,素人なりに,自ら奥さんを納棺したことが転機となり,納棺士となったのでしょうか。
どうもはっきりしません。
余貴美子さんは,帯広に子供を残して出てきたと言っていましたが,何か唐突過ぎです。
本木さんの父親役は峰岸徹さんでしたが,ウェートレスと一緒に逃げたはずなのに,どうして一人になってしまったのでしょうか。
本木さんも不思議に思っていましたが,その経緯にも全く触れられていません。
こういった細部について描写されていないと,何かとっても大ざっぱな映画になってしまいます。
伝えたいメッセージがあれば良いというだけでなく,もっと丁寧な作り込みを期待したいです。
本木さんの納棺士としての腕前はよくわかりませんが,チェロの腕前はやはり厳しいですね。
熱心に練習していたと公式サイトには記載されていましたが,わずか数ヶ月程度の期間でしょうから,プロにはとうてい及ばないでしょう。
オーケストラの場面では,素人目にもやはり本木さんと他のチェロ奏者とは手つきが違います。
そんな簡単にプロのまねはできません。
残念ながら,まねごとになってしまっています。
劇中何度も涙を誘うシーンはありますし,考えさせられる映画ではありますが,全体的な評価としてはどうなのかなあと思います。