北海道洞爺湖サミット特集 温暖化対策主要テーマに 環境立国日本の手腕は | 激安ローライズボクサーパンツ

北海道洞爺湖サミット特集 温暖化対策主要テーマに 環境立国日本の手腕は

中印などの取り組み不可欠


 7日から始まる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、地球温暖化防止に向けた対策が主要議題となる。この問題をめぐっては、日米欧などサミットメンバーのG8(主要8カ国)首脳会合のほか、中国やインドなどの主要排出国を加えた国際会合も開かれる。各国の利害が交錯するだけに調整は難航する見通しだ。温暖化対策の成果がサミット全体の成功にもつながる。それだけに省エネ技術で世界を牽引(けんいん)してきた環境立国・日本の指導力が改めて問われそうだ。


「2050年までに半減」


 温暖化対策で焦点となるのは、温室効果ガスの排出削減をめぐる長期目標の設定だ。昨年のハイリゲンダムサミット(ドイツ)では、日本が「2050年までに世界の温室効果ガス排出を半減する」とした意欲的な「クールアース50」を提唱。参加各国は「真剣に検討する」と申し合わせた。日本は今回のサミットで、この目標をG8各国の合意として格上げさせたい考えだ。


 このため、議長を務める福田康夫首相は「2050年までに自国の排出量を60~80%削減する」との日本の決意を内外に示すことで、温室効果ガスの削減に向けた議論を主導する構えだが、米国は2025年に自国の排出増をゼロにすることを表明したばかりで、「2050年に半減する」との長期目標には否定的だ。


 また、世界規模で半減するには、現在は削減義務を課せられていない中国やインドなど主要排出国の取り組みも不可欠となる。このため、サミット最終日の9日に開催される主要排出国の首脳会合で、中国やインドなどの前向きな姿勢をどこまで引き出せるかが焦点となる。



セクター別アプローチ


 一方、2025年段階の中期目標については05年比で14%の削減が可能との試算があるが、具体的な数値目標は京都議定書後の枠組みを定める国際交渉に直結するだけに、踏み込んだ議論は避けるものとみられる。


 こうした中長期の温室効果ガスの排出削減に向け、日本が各国の理解を得たいのが、産業や分野別に削減可能量を積み上げる「セクター別アプローチ」の有効性だ。1970年代の石油危機の際、資源の乏しい日本は省エネ技術を高めることで乗り切り、国際競争力を向上させた経験を打ち出したものだ。


 今年から削減の約束期間が始まった京都議定書の削減目標が90年比ということに対し、産業界は「乾いたぞうきんを絞るようなもの」と反発が強い。ポスト京都に向けて、過去の省エネ努力が報われるように公平で合理的な削減目標の設定も課題とされており、日本はセクター別アプローチへの支持を取り付けたい考えだ。



CO2排出しない原発


 温室効果ガスの排出削減と並行して進めなければならないのが、エネルギー政策だ。発電時に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを発生させる石炭・石油などの化石燃料への依存度をいかに減らし、持続的な成長を達成するかが問われている。


 このためには発電過程でCO2を排出しない原子力発電の積極的な活用が欠かせない。太陽光や風力などの再生可能エネルギーも有望だが、こうしたエネルギーは日本の発電量の1%程度にとどまっている。原子力発電の安全性を高めながらその普及を進めることが何よりも重要だ。


 国際エネルギー機関(IEA)は6月、2050年に世界の温室効果ガスの排出量を半減させるためのシナリオを発表したが、そこでは年32基の新規の原発建設が必要とされた。米国のスリーマイル島や旧ソ連のチェルノブイリでの事故以降は新設が停止していたが、ここに来て世界的に原発見直しの機運が高まっている。


 世界で現在、新たに建設される原発は年間で1基程度。日本はこれまで継続的に新規建設を続けてきた結果、建設技術を向上させるとともに、安全確保や使用済み核燃料の保管ノウハウも積み重ねてきた。その技術やノウハウをいかに世界に伝えるか。日本はサミットの場で、その枠組み作りにも乗り出す考えだ。


出典:MSN産経ニュース