深読み浮世風呂/小学館 | 江戸秋葉原文芸堂

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( ´・ω・) 江戸戯作を読んだり、江戸時代関連のニュースピックアップをしたり。江戸文化歴史検定一級第三回最年少合格。

深読み浮世風呂/小学館
¥1,995

( ´・ω・) へなちょこ文士おすすめ度 ★★★★☆

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深読み1 江戸っ子による江戸っ子のための文芸

深読み2 お江戸はありがたいところさ

深読み3 銭湯での世間話はホットニュース

深読み4 女湯の話題は教育問題

深読み5 浮世風呂は日本橋界隈に

深読み6 日本橋界隈は新興町人の世界

深読み7 野暮こその真の通、意気こそ野暮の心情


( ´・ω・) 原文を読み進めながら、浮世風呂・浮世床の世界を深読みしていく本書。とても面白かったです。原典は数年前に途中で面倒になって読むのやめてたんですが、そのうちまた改めて読もうと思いました。


( ´・ω・) 世間話だからこそ、縦横無尽。ありとあらゆる話が聞けるのが醍醐味です。さながら銭湯文学・床屋文学です。話題は、江戸と上方の比較、食べ物の話、行楽地(向島百花園)の話、子どもの話、はては人生訓についてまで、いろいろです。臨場感があって、その場に自分もいて聞いているかのようです。


( ´・ω・) 後半では、浮世風呂(と隣接する浮世床)が、どこにあるのかという謎にも迫ります。ちょっとした発言から推理・特定していくというのも面白味がありました。


( ´・ω・) 作中の「通だの通り者だのといはれて身代を潰すよりかも、野暮と云れて金をためた方が利口だの」 という台詞の通り、江戸っ子(江戸戯作者式亭三馬)による江戸っ子のための作品であったからこそ、多くの江戸っ子に共感を持って受け入れられて「おおあたり」したわけです。原文つきといっても、丁寧な解説と現代語訳つきなので、楽しく読めると思います。