本記載は主に本人の備忘のため思いつくままを書いた日記であり、その正確性(十分調査したか否か)や妥当性については保証の限りで無く、何か大きな勘違いもあるかも知れず、自信もありませんので、その旨ご了承ください。

 

昨年春に開催されたLexisNexis IP Conference 2019 Tokyo(最強のデータ経営と変革 知財マネジメントで競争力を高める)というセミナーでGoogleのPatent CounselでUSPTOの勤務経験もあるMs. Sylvia Yu ChenからGoogleの知財戦略の一端をお伺いすることができたのですが物凄く参考になりました。彼女の仕事は適時性を低下させたりコストを増やしたりせず特許の品質を向上させGoogleの特許ポートフォリオ改善に活用しているスコアカード作りについてのお話でした。「出願にモタモタ時間かけず、余計なコストもかけず、スコアカード制度で特許品質を上げる取り組み」というのはスゴク具体的と思いました。

 

彼女は入社して5年間、約40社あるGoogle.LLCの特許事務所の「出願までのタイミング」「拒絶応答に対するアクション」についてスコアカードを作成し、人事考課みたいな考課を行ってきたそうです。Googleの知財戦略は防衛出願主流であって特許ポートフォリオにより如何に「良いポジション」を得るか、ということが中心、ということでした。

 

2020年5月3日の日経新聞にIPランドスケープという知財分析手法による国内外企業の知財出願状況を評価する記事が掲載されました。Googleの持ち株会社「アルファベット」の地位はMs.Chenの奮闘の甲斐あってか良い成果を上げているようです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58655060Q0A430C2000000/

Ms.Chenのいう「良いポジション」ですが、言うは易し行うは難しであって、私の理解では要はマーケティング、何がユーザーにウケるか早く把握してそこで出願することであり、技術的に優れていてもユーザーにウケなければ何にもならない、他社に引用もされない訳です。例えて言えば、桜が満開になって人が大勢押しかけてくる名所が中々分からない状況があったとして、そこが分かって皆がそれっと押し寄せて行ったら既に特許という席取りがされている、という状況に持っていく、ということです。そうなればその席を取っている人を誰も無視できない訳です。

これはマーケティング・営業が主導して知財がこれにピッタリ合わせて行かないとできない筈ですが、両部署のシームレスな連動は中々難しい、何故ならこの観点から知財部署の人間に目標を立てさせ、達成度を考課するのは考課する側が知財に苦手意識があると困難だからです。

法務機能や知財機能の実装のためには、幹部社員、経営者層に「専門家何するものぞ」という気迫を持って頂き、知財部署に目標を立てさせ、達成度を考課する意欲が必要、と思います。