本記載は主に本人の備忘のため思いつくままを書いた日記であり、その正確性(十分調査したか否か)や妥当性については保証の限りで無く、何か大きな勘違いもあるかも知れず、自信もありませんので、その旨ご了承ください。
「コンプガチャは事業継続性に疑念を生じさせるような法的リスクをはらんでいるのでは無いか?」の考察の続きです。
まず全然関係ない話から始めますが、訪問販売を行う場合、販売業者が消費者にアプローチするときに販売目的を隠すことは「特定商取引に関する法律」第3条で禁止されています。「無料でクリーニングします」ということで消費者の家に入り、物を売り付ける、などの行為がこれにあたります。この「販売目的隠匿」の一類型としていわゆる催眠商法と呼ばれるやり方があります。日用品をタダで配ります、として人を集め、初めのうちは欲しい人に手を上げさせて無料で配って雰囲気を盛り上げたところで、高額な商品を売る、というやり方です。この方法は、消費者が雰囲気に酔った状態で商品の購入することになるのでトラブルになりやすい、という弊害も指摘されています。
つまり、雰囲気に酔った状態とか冷静な判断が出来ない状態での購入は8日間のクーリングオフ期間を設けて消費者を救済します、が特商法の考え方ということになるでしょう。
これは訪問販売の話であって、通信販売の場合は「販売目的隠匿」の規制は無く、クーリングオフ制度も非常に緩い内容となっています。通常の通信販売で販売目的が隠されている、ということはあり得ませんし、消費者から冷静な判断力を奪うやり方、というのも考えにくいからだと思います。
コンプガチャは通信販売に該当するので訪問販売向けの規制は受けません。しかし、消費者から冷静な判断力を奪うか否か、という観点から考えると、この提供形態は訪問販売の場合と同様の問題をはらんでいると思います。ゲームが途中で中断し、継続するには有料のガチャアイテムが必要です、といった作りのゲームを提供した場合、通常の雑貨の通販と比べて消費者が冷静な判断をしていないことは明らかでしょうし、加えて、友達と共同でゲームに参加する形態であったり、未成年者の参加も規制しない形態であったりすれば、より問題度は高くなるでしょう。
通信販売の場合、特商法第14条を受けた省令(特定商取引に関する法律施行規則)第16条の定めにより、申し込んだ内容を消費者が確認でき、訂正可能とする確認画面を設けなければなりませんが、コンプガチャの場合、多くの会社がガチャアイテムを現金で購入するのでは無く、有料で購入した電子チケットと交換という方式を採用してこの負担を逃れているようです。金額の入った訂正の可能な確認画面を一々出していたらゲームのノリが悪くなってしまいますが、そもそもそういうノリの中で課金することが好ましくないと考えます。
通信販売で「消費者の冷静な判断の喪失」に関して全く救済措置が無いわけでは無く、特商法第14条には消費者の利益が害されるおそれがあると主務大臣が認めれば業者に必要な措置を指示できる旨の定めがあります。
以上のことをまとめると、コンプガチャは現状は景品表示法の問題を除けば違法では無いのですが、特商法上の規制は不相当に緩やかであるとの感は否めず、これ以上消費者センター等への相談数が増えるなどの現象が続けば、行政が確認画面規制などを見直すことにより中途課金制度を規制する可能性がある、現行法令では介入は大臣の一存でいつでも出来る状態である、ということになるかと思います。大手や携帯電話会社関連会社の場合、今後は課金とゲームのノリを連動させない、自重した取り組みも出来るでしょうが、新興の参入業者はそのような取り組みはしないでしょうから、苦情が増えつづけることによって、何れかのタイミングでネットゲームの中途課金制度は規制されることになるのでは無いか、と予想してます。従って、中途課金方式を持つ新ゲームの開発に大金を投ずるのは危ない、今のうちに方式自体を別路線にして儲ける仕組み作りをしておいた方が良い、というのがワタクシの意見です。