2週間後にバレエダンサーとしての仕事が始まる娘。

本人も緊張と興奮の準備期間を過ごしているのだろうけれど、平静を装っている感もある。

バレエ学校生から研修生、研修期間もバレエ団の団員と同じお給料が支給されるだけでなく、全ての仕事関係の費用をカンパニーが負担してくれる。

最初の一年はほとんどダンサーが学校の寮(リンカーンセンター内)に留まって、アパート暮らしの準備に入るらしい。娘は貯金をしたい(しっかり)ので、自宅から出勤。

パートタイムの大学生活も始まるので、私も家にいてくれると安心でもある。

どのような毎日が始まるのだろう!

 

Ballerina なのだね。夢だったものね、改めておめでとう。

バレリーナといえば、思い出すことがある。

 

11歳の時に、以前通っていたバレエ学校からの依頼で、クラスの生徒達が映画のエクストラで出演した。

キアヌリーブス主演の"John Wick chapter 3"

役柄は、暗殺養成学校のバレエ生徒。

丸2日間の撮影がNYのアップステートで行われ、バレエの友達とそのママ達とで賑やかに長ーい撮影を共にした。

勿論キアヌを間近で見ることが出来て感動。

その時にスタッフから娘達は常に「バレリーナ」と呼ばれていたので妙に可笑しかった。

一般に"Ballerina"はバレエダンサーの女性と言う事なのだけれど、小さな子供達にぴったりな呼び名として使われている感じがある。その時もバレリーナ達!みたいな感じだった。

この撮影で印象的だったのは、実はバレリーナ達の背中に貼らされたタトゥーシール。

ラテン語で書かれたこの文字の意味。

”Oderint dum metuant"

英訳すると"Let them hate so long as they fear"

『妬ませろ、敵が恐怖を抱くまで』

サスガ、John Wickのシリーズなのだ。

これがバレリーナの背中に貼られた2日間の撮影、なんとも映画好きにはたまらない(亡き父を思い出す)。

この一句、決して野蛮ではない。

人生で戦わないとならない時、人に妬まれて閉ざされそうになる時、確固たるものをもって進んでいくしかない。

娘にも時には荒波を超えていって、順調幸せを感じてほしい。

当時11歳、撮影の合間に。