2022年の夏、16歳の娘にとって人生最大の喜びを得た夏だった。
長い道のりだった。
ニューヨークの有名バレエ学校の5週間サマーインテンシブが終わる、最終日の朝に合格のemailが届いた。ベッドルームに走って寝ている娘を揺さぶった。
「Kちゃん!起きて!メール来たよ!」
「おめでとう!!」
娘、目を擦りながら、いきなり泣き出した。
3歳から始めたバレエ。
彼女のバレエの人生、自分で選んだ道だけど毎日のレッスンと学校と宿題とパフォーマンスとで、自由な時間も限られた生活。
彼女が10歳くらいだったかな。ダンサーとは程遠い職業の夫が聞いてきた。
「Tell me the truth, your honest opinion」
「Do you think she is GOOD? I mean she is talented?」
本当の事、聞きたい。
この子、どうなの? バレエの才能あると思う?
ダンス関係の仕事をしている私だからこそ、聞いてきた。
自分の子供は、一番可愛いし、才能あると信じるのが親というもの。
でも敢えて私、
「Yes, she is good. she is exceptional. Otherwise I won't let her go throguh this crazy schedule. She is that good.」
Kは才能あるよ。そうじゃなきゃ、こんなスケジュールでバレエさせてない。
それ以来、夫はKのバレエライフを受け入れた。
バレエ人生は短い。大学に行くならプロになってから、後回しになる。
高校の成績も良好だったKが大学に行かないことが、夫にとって残念だったに違いない。
合格が決まってすぐに、高校をホームスクールに切り替えねばらならい。2年間通ったウエストサイドの新鋭的なハイスクールだっけど、自身後悔なくホームスクールに。
難なくこなしてやっていければ良いが、私には未知の世界。救いはコロナ禍でオンラインのクラスを経験していたこと。
来週からバレエ学校始まる。
16歳のレベルは、卒業まで2年間。
トウシューズの毎日が始まる。