第15話 森の果て | tutu classic

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国境を超えた独特な色や柄の組み合わせで、オシャレの幅を広げる。
女性の心が楽しくなるオンリーワンスタイル。

小径を彩る
花々の歌声
吹き抜ける風
森の出口はもうすぐそこ
ぽっかりと大きな
光のトンネルを見せています



頭の上から
鼻先に


鼻先から
頭の上に・・

くまおくんの周りを
ふわふわと飛び回り
ちょうちょは
まるで踊っているみたい・・


いままで
ちょうちょが居た
くまおくんの
手のひらは
自由になって
花々の歌といっしょに
前に後ろに
ゆらゆら降られ・・


いつの間にか
くまおくんは
スキップしていました


元気になった
ちょうちょと
一緒に見る景色が
まぶしくて
うれしくて
にこにこと
目を細めるくまおくん


あと少しだね



と弾むように
何度も何度も
ちょうちょに話しかけました


その度に


ね・・・


と答えるちょうちょ


花たちも
あちこちから
相づちをうちます


森の出口に
近づけば近づくほど
景色はまぶしくなり


その光をうけたちょうちょは
今までみたことがないほど
きらきらと真っ白に輝いて
とても綺麗でした


見とれながら


ちょうちょさんは
とっても
とっても
きれいだね



くまおくんが言うと


くまおくんも・・



ね・・



ちょうちょが答えました






不思議に思って
くまおくんは
自分の手足を
見てみると・・


旅の途中
転んだり怪我したり
どろんこだった体は
すっかり綺麗になり


いろなしの森では
真っ黒だった体は
さらさらで
つやつやとした
茶色になっていました


うわぁ・・


くまおくんは
とてもおどろきました

そして嬉しくなって
ちょうちょの前で
くるりと一回転しました


くすくす


くすくす


ちょうちょと花ばなが
楽しそうに笑います



同じはやさで

同じ気持ちで


森の小径を
進む二人・・


とうとう
あと少しで
光のトンネル・・・森の果て


というところに
さしかかりました


くまおくんは
ふと立ち止まり
こくりとうなずくと

ちょうちょは
くまおくんの
頭の上の指定席に
ちょこんと
止まりました


くまおくんは
手をぴーんと後ろに反らせ
おじぎするように
前屈みになり・・


二人は声を合わせました



よ~い
よ~い



スタート!!



くまおくんと
ちょうちょは
弾む心で
森を背に

一気に
光のトンネルに向かって
走りだしました


・・・つづく