前回、「クレームが宝の山になる」ための簡単に考えられる必要条件を書きました。

・顧客の怒りが収まるのを待たず、素早く対応する
・許容されるコストの範囲で対応する
・個人のせいにせず、チーム、あるいは全社的で対応する

ちょっと問題から逸れてますよね。「クレームは宝の山か」と聞かれているのに、YES(またはNO)の条件を示すだけという回答。でも、俺にはこの辺りが限界ですw

今日は、そこからも外れて、具体的なロードマップのようなものを考えていきたいと思います。

はい、クレームが入りました。お客様は怒っています。まず、これが「宝」となるように行動しなくてはなりません。お客様のお怒りが「ごもっとも」の場合も、「的外れ」な場合もありますが、このケーススタディでは極論、そんなことはどうでもいいのです。

なぜかわかりますか?

このいま起きているクレームが「どうあれ」「結果的に」、ステークホルダーすべてにとって利益あるものになれば良いわけですから、どっちの言い分が正しいかなんて関係ないのです。問題はなぜ怒っているか。何に対して怒っているかです。

少し話が逸れますが、「社員個人のせいにしない」というのは、社員個人に対応を任せないということでもあります。社員はどうしても「自分のせいではない」という考えが先行してしまいがちなので、「どっちが正しいか論」になってしまいがちです。「なんだ、この客」と。しかし、それでは宝の山になりません。

怒っている理由をしっかり話し合う。そしてそれを言わせる。それが大切ですよね。凄い簡単な例として、飲食店で待ち時間が長くて怒っているお客様がいたとします。待ち時間が長いのは、うちの料理の評判が良いからで仕方ないだろ、バカ・・・というのはダメですよね。お客様には、想定されていた待ち時間より長くて申し訳ない、という旨をしっかり伝えるべきです。

仮にですよ、「30分くらいですかね」と先に待ち時間を告げていたのに、「60分待っても席に案内されない」というのであれば、なぜ「30分と言ってしまったのか」の原因を究明する必要がありますが、出来れば、上司が「部下の目算が不正確で申し訳ない」と謝るべきところです。間違って伝えてしまった社員は、モチベーションが下がるところですから、本人より上司が出ていくところでしょう。

ここで上司のモチベーションは下がらないのか、というのが問題になると思いますが、言っても自分のミスではないわけですから、本人よりは気が楽なはずです。また自分のミスはさらに上の上司が庇ってくれると思えばこそ、組織的な信頼感も生まれてくるでしょう。謝るべきは本人ではないのです。原因究明はすべてが終わったあとのフィードバックの段階で十分ではないでしょうか。

問題は「誤り方」ですよね。許してもらうためのコストです。ハンターハンターに拠れば

・悪かったことを詫びる
・それを二度としないと誓う
・その誓いを守る

それが許してもらう条件ですが、それでも許してもらえない場合があります。そうなるとお金で解決です。これは本来、民事裁判をしないことには「金額」が確定しません。しかし、クレームの度に裁判をするというのは日本の文化ではないと思うので、金額をこちらから提示する必要があります。そのための予算というのは、予め組織として用意しておくべきでしょう。決裁権を権限委譲しておいてもいいと思います。

ただ、難しいのは「ゴネ得」になってしまうような、そういう状況設定は経営を圧迫しますよね。顧客の良心に頼るのも立派ですが、統計的に良心を持った人がどれだけいるかもわからない状況下での判断は、暗中模索でしかありません。

現状のこの文章のルール下では、お客様のクレームの質は問わない...というものでしたが、本当に問わなくていいのか、それを問わないことはコスト面での判断を誤らせるのではないか、と思ってしまいます。となると、そもそも「宝の山」を「ステークホルダーすべての利益」と設定した前提に問題があるように思います。

背理法

ですよね。ああやって仮定したものの、あの仮定内ではコスト面での精査がうまく行きません。ということは、前提が間違っていたのです。

これは・・・やり直しですねw

難しい課題です。また時間を置いて頑張りたいと思います!!