表紙︰マガ

(注︰今回大長編です。マジで長いので気をつけて)


追記︰今回、長すぎてブログの枠に収まりませんでした笑

前編・中編・後編に分けます。いぇあ。






『どうなさいました?ご主人様』


「あぁ…ちょっとね、お風呂に入りたくてね」


『では、お湯を沸かしてきます。ご主人様』


「違う違う…お前は、“俺の全身を洗ってくれるんだろ”」








『?』







『確かに…そうですね、では、一緒に入りましょう』







「しっかり…染まってるな」





『?』


「あいや、何でもない…」








『いただきます』




「一人だね」




『だってここ…』






『職員室だもん』


なぜだ。




私が何したっていうんだ。


あ、いた!と永崎先生が職員室のドアを開け、こちらに来る。


「いやあ、ごめんね?クラスメイトのみんなで食べたかったかもしれないけど」


『あそれは大丈夫です』


自分で言ってて悲しくなってくる、

クラスメイトとの関係性。


先生の机で弁当を食べていると、


「そういえば、最近不審者いたじゃない?水着盗んだ」


『あ、あいつですね』


チヅルがボコしたやつか。


「お手柄だったわね」


『いやあ、チヅルに言ってあげてください。私は警察呼んだだけなんで』


「でも、すぐ釈放されたらしいわ、あの人」


『えぇ…』


めんどい動物を放ったな、警察も。



今日の弁当、美味しい。


…?なんか…すごい…美味しいけど…。


「どうしたの?カナさん。顔が赤いけど…」


『あいつ…』



ユズキだ。



ユズキ、媚薬入れやがった。


『せっ…せんせぇ…保健…室に』


「大丈夫!?」


あんのクソ猫が!





「って事があったのよ」


『災難でしたね…』


帰り道、カナといっしょ。


最近話せてない分、ここで好感度を取り返す!


…恋愛シュミレーションゲームでもやっているのか、私は…


「あ、待って!明日の小テストの問題載ってるプリント忘れてきた!…カホ動かすのも悪いから、あそこの公園のベンチで待ってて?」


『わかりました、待ってますね』





私もついていきたかったなー…



『はぁ』


誰かの足音が聞こえる。


「困ってるようだね」


『誰ですか、あなた』


見た感じ、ただのおじさん。


何か秘伝の技でも教えてくれるのだろうか?


「何で困っていたんだい?ため息なんかついて」


『いやあ…』


『カナといれて、幸せすぎる私が辛くて』


きましたこれベストアンサーだろ。


もう愛が溢れて止まらない。


「おじさんも、幸せなんだ」


『それはそれは、良かったですね』












「JKと、暮らせるから」








『んぐっ!』


突如、首を絞められる。


口を塞がれる。


動けない。


痛い。


苦しい。


カナ。


カナ!


カナカナ!



「もがいても無駄」


『(不審者!変態!)』


「聞こえないなぁ…笑」


そして、何か錠剤を無理やり飲まされる。



意識が…


か…な。


たすけ…て…?






『あれー?カホがいない』


「帰ったんじゃない?」


『カホに限ってそんな事ないと思うけど…』


「人を見た目で判断するの良くないよ」


『見た目で判断してないから!…まあ、帰るか。帰ってから、LINEで聞けばいいし』


そして、私は家へ帰った。


…カホ、大丈夫かな?





気が付くと、ある部屋のソファにいた。


まず刺さるのは悪臭。


加齢臭や汗臭さが私の鼻を折り曲げる。


そして2つ目、


部屋が汚すぎる。


壁と床が半分以上ゴミや何かスクラップのようなもので見えない。


悪臭をより際立たせているのはこれだろう



そして気がつく。
















これは、無事で帰れないのだ、と。














そして、私は、服装が違うことに気づいた。


学校の制服ではなく、フリフリのメイド服を着せられている。


彼の趣味なのか?


気味が悪い。


大胆なミニスカ、


開かれた胸元。




『私の…パンツは?』


下着は?


脱が…された?


怖い。怖い怖い怖い怖い。


私はこれから何をされるの?


「お、起きたようだね」


『帰して!』


泣きながら懇願する。


こんなところ、いられるわけがない。


「って言っても、警察に相談するだろ?キミ」


『あ…当たり前だ』


「そーれーは僕もいやなんだよねぇ?」


『わかった!相談しないから!帰らせて!』


「やだw」


『!』


デュフフ、とまさしく容姿通りの笑い声を上げ、


「せっかくのチャンス、逃すわけにいかないからねぇ」


『…』


助けて。


カナ。


ハツカ。


みんな…


「おやおや、メイドなのに、泣いちゃあ、ダメじゃないか」


『痛っ!』


ペチン、と強く頬を叩かれる。


「痛い目には僕も遭わせくないんだよ?そのために…メイドを全うしてくれないと」


『ッッッ!』


「そんな怒らないでよぉw悪かったってw」


人以下のクズだ。





「そういえば、首輪にはGPSと電流が流れるようになってるんだ」


『!』


「ちょーーっとでも、反抗したら…電流ビリビリー!わかっでしょ?そして、この家を出たら…わかるよね?」








だめだ。





もう






むりだ











たすけは











こない














できる









ことは







「僕のことは…、ご主人様って呼んでね」








もうない



  









はやく




























































こと


は、



ご主人様に


ご主人様を



ご主人様を、喜ばせなきゃ



「キミは、今日から、僕の奴隷だ」


ご主人様の…奴隷。


奴隷。




なぜだ?




その言葉が、とても心地よい。


ご主人様。


なんて良い響きなんだ?



奴隷。



死ぬまで、仕えるだけ。


ご主人様。


あなたに。





「何か、言うことは」


私は、





…なんで嫌がってたんだ?


最高じゃないか



ご主人様のために尽くせる。


これ以上に幸せなことがあるか?


ない。


断じて。


『大好きです、ご主人様♡』


「よくできた子だ、まずは…部屋を片付けてくれ。僕は、タバコ吸ってくる」


『わかりました、ご主人様』



褒められた。


よくできた子だ、って。


私に。


もっと、褒められたい。



ご主人様。



ご主人様ご主人様ご主人様。














    





















ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様






カホと一緒に帰った次の日、


カホは学校を休んだ。


なんだか味気ない、帰り道。


『LINEも連絡つかないし…どーしてだぁ?』


エイプリルフールは10ヶ月くらい後なんだが。


「まぁ、時間が解決するっしょ!」


『軽っ…』











『…カホ?』



帰り道、


ゴミ捨て場で、大量のゴミを運んで捨てている。


悪目立ちリボンがわかりやすかった。


そして、露出の多い、


メイド服を。



『カホー!何変態ファッションに目覚めてん…だ…』



目…が、





死んでいた。



比喩ではない。




幼稚園児の、らくがきのような、

クレヨンで塗りつぶしたどす黒い色をしていた。




「何ですか」


『か…カホ?カホ、だよね?』


「誰ですか」


『カホだよ!1年2組中川カホ!ねぇ!冗談やめて!』


「だれ…ですか」


『…』


視点がふらつく。


初めてできた人間の友達に。


忘れ去られている。


私のこと。



そして、カホ自身のこと。


「カナ…」


カイが私の体を支えてくれている。


『カホ!』


私は大声を出し彼女に抱きついた。


「やめてください」



束の間、

強く強く蹴り落とされる。


痛い。 



『な…何してるの』


彼女に問う。













「ご主人様と、暮らしてるだけです」