ドイナカーツには

たくさんのクラがある。



一つ一つのクラのあちこちから

昔、ドイナカーツに住んでいた人達の

思い出の品が出てくる。



それを新参者のウニーポッターが

触れても良いのだろうか。

見ても良いのだろうか。



知らなくて良い事まで知ってしまう。


それはあまり良い事じゃないような

気がする。


ウニーポッターはそう考えていた。



だから。


クラには

必要以上に立ち入る事は避けていた。



ある日

相棒のダンが


米グラは

実は2階があるんだよ。


あとさ、

鍵のかかっている

隠し部屋もあるんだよ。

ボクも入った事無いんだよ。


⁉️


ウニーポッターはここで気がついた。




2番の鍵のかかっている部屋が

どこかにある!



でもどこに?






この部屋の一体どこに

隠し部屋があるんだろうか。



一つ一つ荷物を片付けて行くと



それは突然現れた。




あ。




あった!






米グラの真隣にあったんだ!

真ん中の白い物は天体望遠鏡よ。




いつもモノが

たくさん詰め込まれていたから

見えなかったんだ!





おそるおそる

2番の鍵を差し込んで回すと、、



がちゃり。



鍵が開いたびっくり



真っ暗だ💦



そんなに広くはない。



塗りのお膳らしき物が

目に飛び込んでくる。


あっ!

脚付きのお膳だ!


そうか。

前にご近所のお婆ちゃんが言っていた


ウニザリン(うに田家)が持っている

立派な脚付きのお膳の話。


これの事だったんだ!


こっちじゃなかったんだ〜。





このクラに置かれていた新聞は

昭和40年3月1日。





そうか。

このクラは

昭和40年から誰も入る事なく

今に至るんだね。




わぁ。

可愛い。




三三九度以外に用途が思いつかない💦

白い紙の中身も同じ杯よ。


えーっと。

大正12年?




びっくりびっくりびっくりびっくりびっくり


コレは、、


結納の目録!







突然

ウニーポッターは理解した。






この秘密のクラは

ドイナカーツに住んでいた

みんなの「幸せ」を

ぎゅっと詰め込んで

封印した部屋だったんだ!






そうだったんだ。




気がついたウニーポッターは

あわてて扉を閉める。





そうして、、


がちゃり。





これ以上

「幸せ」が逃げていかないように



そぉっと

鍵をかけた。







今までずーっと使う事のなかった


2番の鍵を。








帰りみちをあるきながら考える。



何から話したら良いだろう。

今日あった出来事を話したいんだ。



とうとう秘密のクラを見つけた事。

中には「幸せ」が詰め込まれていた事。

変な格好をした男のバーゲンのチラシの事。

虫のタマゴがウジャウジャいた事。





相棒のダンに。



ひとつも残らず話したら


きっとびっくりするだろうな。






そう考えただけで

ウニーポッターも

なんだか幸せな気持ちになるのだった。




気がつくと

空には丸くて大きな月がでていた。






ウニーポッターと秘密のクラ

完。


※少々矛盾がありますが

お話としてまとめちゃいました。


ウニーポッターでは収まりきらない

後日談ありまーすチュー