本作品こと「大怪獣バラン」は既に特撮ファンの中ではアメリカの全4話のテレビシリーズとして製作依頼が来て製作された作品で途中でそれが中止になり劇場用作品として製作された作品として知られているがさて本当にこのテレビシリーズが頓挫されたのだろうか?
ここでビデオを入手し実際に作品を見てみると従来の東宝怪獣映画作品では海外版が製作されたとしてもせいぜい追加撮影の規模でしかなく付け足し程度でしかないしあるいはオリジナルをほぼそのまま一部をカットしたり音楽を入れ替えたりしてるケースもあれど英語に吹き替えるのみでそれほどオリジナルを変更している訳ではないが本作品の海外版では実にほぼ全ての本編シーンが外国の俳優(もしくは日系人)によって占められており基本的な設定こそ踏襲しているものの殆ど別物となっている。
しかも一本の作品として観た場合、編集がかなり雑でどう考えても駄作の仲間入りなのである。
それに加えてオリジナルでは予告編しか現存しないシーンがありその上、炎などのエフェクトが追加されていて俳優部分を含めてかなり大規模な撮影がアメリカでなされておりオリジナルの「バラン」は特撮シーンとテレビ版の一部を除き陰も形も無くなっておりこのことから実際にテレビシリーズが作られていたのではないか?と思うし伊福部氏の音楽が岩屋村での祈祷の音楽を除きユニバーサルホラーの音楽に差し替えられておりかなりの改悪ぶりである。(音楽は「大アマゾンの半魚人」から使用)
それにオリジナルの製作、公開が1958年なのに対してこの海外版はそれより4年後の1962年まで公開されていないのはどうも変ではないか?
尤も「怪獣大戦争」や「サンダ対ガイラ」も海外版の公開がかなり遅れていたのだがここまでの大規模な追加・・・というのは有り得ないしアメリカでは映像作品の権利に関してはかなり厳しいので短絡的ではあるがどう考えても先にテレビシリーズを製作してから総集編として劇場版を作ったという流れが自然ではないか。
で、ここで当初東宝が海外輸出仕様として製作したテレビ版を見てみると正直なところダイジェスト版でも見ているような錯覚を覚えさせ前、後編とでもいうべき1時間の作品だが物足りないという感は否めなかった。
何故製作を中止にしたのはどうもこの物足りない部分が躊躇させた理由ではないかという点とやはり主役をアメリカ人にしなければ駄目だという事ではないだろうか。
ちなみにこの当初のテレビ版は映像部分は現存していなかったが音声に関しては発見されたので映画本編から該当個所を推測してDVDの特典映像に収録されたがそれでも映像と音声のズレは否めなかったものの伊福部氏が当初に作曲した音楽が実にマッチしこれはこれで素晴らしい作品となっている。
さて実際の海外版に戻るがスタッフの一覧に本多猪四郎監督や円谷英二特技監督のクレジットが一切無いのである。
しかも全てアメリカサイドのスタッフしかクレジットされていないのも気になる・・・。
ここで結論からいうとテレビシリーズに関しては実際に東宝の介入なしに作られ後に劇場版再編集されたものと思われるのである。
本多円谷両監督のクレジットがないのもそのせいか?恐らくだが先に書いた通りアメリカ人が主役ではなかったので放映には支障が生じ東宝との契約を断念し既に完成した東宝から送られた映像を一部利用しアメリカサイドで新規製作したのではないだろうか?
それと本来東宝が製作したテレビ版の映像は恐らくアメリカに現存しているのではなかろうか?クラウンインターナショナル
コリー・フィルムコーポレーション
ダラス・プロダクション作品。
キャスト
マイロン・ハーレー
ツルコ・コバヤシ
クリフォード・カワダ
デリック・シマツ
ヒデオ・イマムラ
ジョージ・ササキ
ヒロシ・ヒサムネ
ヨネオ・イグチ
マイケル・サング
ロイ・K・オガタ
スタッフ
脚本 シド・ハリス
撮影 ジャック・マーケット
編集監督 ジャック・ルジェロ
特撮 ハワード・アンダーソン
製作主任 サム・ハリス
メイク ロバート・コウェン
助監督 レオナルド・コノデイ
記録 マーガレット・ローレンス
編集 ラルフ・キューズマン
音楽編集 ピーター・ジナー
音響効果 カート・ハーンフィールド
効果 グレン・グリン・サウンド
製作&監督 ジェリー・バーウィッツ
アメリカ版公開年 1962年
70分
ここでビデオを入手し実際に作品を見てみると従来の東宝怪獣映画作品では海外版が製作されたとしてもせいぜい追加撮影の規模でしかなく付け足し程度でしかないしあるいはオリジナルをほぼそのまま一部をカットしたり音楽を入れ替えたりしてるケースもあれど英語に吹き替えるのみでそれほどオリジナルを変更している訳ではないが本作品の海外版では実にほぼ全ての本編シーンが外国の俳優(もしくは日系人)によって占められており基本的な設定こそ踏襲しているものの殆ど別物となっている。
しかも一本の作品として観た場合、編集がかなり雑でどう考えても駄作の仲間入りなのである。
それに加えてオリジナルでは予告編しか現存しないシーンがありその上、炎などのエフェクトが追加されていて俳優部分を含めてかなり大規模な撮影がアメリカでなされておりオリジナルの「バラン」は特撮シーンとテレビ版の一部を除き陰も形も無くなっておりこのことから実際にテレビシリーズが作られていたのではないか?と思うし伊福部氏の音楽が岩屋村での祈祷の音楽を除きユニバーサルホラーの音楽に差し替えられておりかなりの改悪ぶりである。(音楽は「大アマゾンの半魚人」から使用)
それにオリジナルの製作、公開が1958年なのに対してこの海外版はそれより4年後の1962年まで公開されていないのはどうも変ではないか?
尤も「怪獣大戦争」や「サンダ対ガイラ」も海外版の公開がかなり遅れていたのだがここまでの大規模な追加・・・というのは有り得ないしアメリカでは映像作品の権利に関してはかなり厳しいので短絡的ではあるがどう考えても先にテレビシリーズを製作してから総集編として劇場版を作ったという流れが自然ではないか。
で、ここで当初東宝が海外輸出仕様として製作したテレビ版を見てみると正直なところダイジェスト版でも見ているような錯覚を覚えさせ前、後編とでもいうべき1時間の作品だが物足りないという感は否めなかった。
何故製作を中止にしたのはどうもこの物足りない部分が躊躇させた理由ではないかという点とやはり主役をアメリカ人にしなければ駄目だという事ではないだろうか。
ちなみにこの当初のテレビ版は映像部分は現存していなかったが音声に関しては発見されたので映画本編から該当個所を推測してDVDの特典映像に収録されたがそれでも映像と音声のズレは否めなかったものの伊福部氏が当初に作曲した音楽が実にマッチしこれはこれで素晴らしい作品となっている。
さて実際の海外版に戻るがスタッフの一覧に本多猪四郎監督や円谷英二特技監督のクレジットが一切無いのである。
しかも全てアメリカサイドのスタッフしかクレジットされていないのも気になる・・・。
ここで結論からいうとテレビシリーズに関しては実際に東宝の介入なしに作られ後に劇場版再編集されたものと思われるのである。
本多円谷両監督のクレジットがないのもそのせいか?恐らくだが先に書いた通りアメリカ人が主役ではなかったので放映には支障が生じ東宝との契約を断念し既に完成した東宝から送られた映像を一部利用しアメリカサイドで新規製作したのではないだろうか?
それと本来東宝が製作したテレビ版の映像は恐らくアメリカに現存しているのではなかろうか?クラウンインターナショナル
コリー・フィルムコーポレーション
ダラス・プロダクション作品。
キャスト
マイロン・ハーレー
ツルコ・コバヤシ
クリフォード・カワダ
デリック・シマツ
ヒデオ・イマムラ
ジョージ・ササキ
ヒロシ・ヒサムネ
ヨネオ・イグチ
マイケル・サング
ロイ・K・オガタ
スタッフ
脚本 シド・ハリス
撮影 ジャック・マーケット
編集監督 ジャック・ルジェロ
特撮 ハワード・アンダーソン
製作主任 サム・ハリス
メイク ロバート・コウェン
助監督 レオナルド・コノデイ
記録 マーガレット・ローレンス
編集 ラルフ・キューズマン
音楽編集 ピーター・ジナー
音響効果 カート・ハーンフィールド
効果 グレン・グリン・サウンド
製作&監督 ジェリー・バーウィッツ
アメリカ版公開年 1962年
70分