宇宙大戦争(1959)
解説
本作品は「モスラ」に先駆けて米コロンビア社と東宝が提携した作品でしかもこの映画が製作された昭和34年の多忙な時期にこの年最後に製作された作品である。
この映画の発想は「地球防衛軍」で怪獣もののみに限定せず特撮技術の新たなる可能性を切り開いた東宝が続いて放ったメカSFで原作は「地球防衛軍」同様丘美丈二郎が担当し今度は宇宙での戦争を描いた作品にしてくれと依頼された作品である。
原作(原案)の詳細は不明だが大筋は映画と同じのようである。然し、敵のエイリアンであるナタール人が植物生命体であるのと彼等もまた戦闘ビークルも所有しており地球防衛軍の探検車との月面の戦闘を繰り広げたというところが相違点である。
さて、この原作を基に関沢新一が脚本を執筆し娯楽性を盛り込んだ作品が完成した。これを台本として本多、円谷両監督はこの作品に挑んだのだがこの時期東宝では「孫悟空」、「日本誕生」、「潜水艦イ―57降伏せず」といった特撮大作が連続のように製作されてそれらが全て円谷監督一人でこなしていたからさぞ大変な製作状況だったことは想像を絶するものであったことだろう。しかもこの作品は「日本誕生」に続き想像からヒントを得てしかもこの時期は宇宙開発のニュースもあってか「地球防衛軍」以上にリアルさが要求されるのでメカのデザインにしてもイメージ的かつリアルな描写も盛り込んでいかないとならない。そこで円谷監督は再び小松崎茂氏にデザインを依頼した。こうして大変な状況の中クランクインが開始されたのである。
この作品での特撮部分のテーマは如何に宇宙での描写をリアルにアメリカ、ソ連両国に先駆けて観客に宇宙(特に月面着陸、月での描写)をリアルに再現し観客に宇宙旅行を実感させるかということである。これは宇宙船での月面着陸のシーンにて表現された。
地球防衛軍の宇宙船であるスピップ号が着陸の際にアニメによる逆噴射→機体の反転→一定位置に方向転換すると制動するための噴射→クレーターに向けて着陸する際の制動エンジン全開といったように細かく描写されており本編のほうでも重力の差で歩く速度も異なるという無重力の描写はリアルに表現されている。
本作で特筆すべきは伊福部音楽の充実さで「ゴジラ」から始まった特撮作品の音楽はこの作品にて爆発的に効果を発揮し戦闘マーチの凄まじさはまさに感動的であるといえる。
さて本作品とは「ゴジラ1983」の頃、始めて予告編にて本作品と接したものでどういうわけかカラー作品なのにモノクロの画面で上映されていた。それから本編のほうはビデオで拝見したわけだが(この映画の場合、音楽のほうは先行して聞いて伊福部音楽の凄まじさにはまってしまい本作のビデオをレンタル屋で発見したときは思わず真っ先に借りた(^_^;)冒頭から宇宙ステーションと戦闘円盤とのバトルで驚き後半の宇宙での戦闘シーンも敵味方色分けされた光線のアニメが実に美しく「スターウオ-ズ」以上に凄いと思ったものだった(勿論この映画での伊福部音楽は最高にカッコ良く何度も何度もサントラを聞いたものだった)。理屈抜きの娯楽大作であった。映画(のストーリー)はシンプルかつ奥深いのがいいのである。
とはいえ関沢作品によくあるユーモラスな場面はこの作品に限っては無いに等しく登場人物もエリート集団であり人間的ドラマは否定し関沢作品にしてはクールな印象を受けるがそれゆえに古臭さは感じず現在でも通用する作品になったといえる。
解説
本作品は「モスラ」に先駆けて米コロンビア社と東宝が提携した作品でしかもこの映画が製作された昭和34年の多忙な時期にこの年最後に製作された作品である。
この映画の発想は「地球防衛軍」で怪獣もののみに限定せず特撮技術の新たなる可能性を切り開いた東宝が続いて放ったメカSFで原作は「地球防衛軍」同様丘美丈二郎が担当し今度は宇宙での戦争を描いた作品にしてくれと依頼された作品である。
原作(原案)の詳細は不明だが大筋は映画と同じのようである。然し、敵のエイリアンであるナタール人が植物生命体であるのと彼等もまた戦闘ビークルも所有しており地球防衛軍の探検車との月面の戦闘を繰り広げたというところが相違点である。
さて、この原作を基に関沢新一が脚本を執筆し娯楽性を盛り込んだ作品が完成した。これを台本として本多、円谷両監督はこの作品に挑んだのだがこの時期東宝では「孫悟空」、「日本誕生」、「潜水艦イ―57降伏せず」といった特撮大作が連続のように製作されてそれらが全て円谷監督一人でこなしていたからさぞ大変な製作状況だったことは想像を絶するものであったことだろう。しかもこの作品は「日本誕生」に続き想像からヒントを得てしかもこの時期は宇宙開発のニュースもあってか「地球防衛軍」以上にリアルさが要求されるのでメカのデザインにしてもイメージ的かつリアルな描写も盛り込んでいかないとならない。そこで円谷監督は再び小松崎茂氏にデザインを依頼した。こうして大変な状況の中クランクインが開始されたのである。
この作品での特撮部分のテーマは如何に宇宙での描写をリアルにアメリカ、ソ連両国に先駆けて観客に宇宙(特に月面着陸、月での描写)をリアルに再現し観客に宇宙旅行を実感させるかということである。これは宇宙船での月面着陸のシーンにて表現された。
地球防衛軍の宇宙船であるスピップ号が着陸の際にアニメによる逆噴射→機体の反転→一定位置に方向転換すると制動するための噴射→クレーターに向けて着陸する際の制動エンジン全開といったように細かく描写されており本編のほうでも重力の差で歩く速度も異なるという無重力の描写はリアルに表現されている。
本作で特筆すべきは伊福部音楽の充実さで「ゴジラ」から始まった特撮作品の音楽はこの作品にて爆発的に効果を発揮し戦闘マーチの凄まじさはまさに感動的であるといえる。
さて本作品とは「ゴジラ1983」の頃、始めて予告編にて本作品と接したものでどういうわけかカラー作品なのにモノクロの画面で上映されていた。それから本編のほうはビデオで拝見したわけだが(この映画の場合、音楽のほうは先行して聞いて伊福部音楽の凄まじさにはまってしまい本作のビデオをレンタル屋で発見したときは思わず真っ先に借りた(^_^;)冒頭から宇宙ステーションと戦闘円盤とのバトルで驚き後半の宇宙での戦闘シーンも敵味方色分けされた光線のアニメが実に美しく「スターウオ-ズ」以上に凄いと思ったものだった(勿論この映画での伊福部音楽は最高にカッコ良く何度も何度もサントラを聞いたものだった)。理屈抜きの娯楽大作であった。映画(のストーリー)はシンプルかつ奥深いのがいいのである。
とはいえ関沢作品によくあるユーモラスな場面はこの作品に限っては無いに等しく登場人物もエリート集団であり人間的ドラマは否定し関沢作品にしてはクールな印象を受けるがそれゆえに古臭さは感じず現在でも通用する作品になったといえる。