『市内在住の方が新型コ ロナ陽性であることが判明した』とニュースになり、学校関連でメールが入る。この文章に違和感を感じるので、PCR検査について書いてみようと思いました。
PCRはどういうもので、何がわかるのか、何がわからないのか?感染とは何か?そんなことを書いてみようと思います。
PCRとはDNAの鎖から指定した部位のDNAを増幅させる方法のひとつ。
DNAのようにらせん状に巻きつくよね〜
指定した目標の遺伝子配列があれば、読み取って大量にコピーさせて、測定器で測れないくらいの微量のものを、測定器で測れるくらいまで増やす技術。
大学時代、卒業研究で遺伝子を扱う研究室に所属し、実際にPCR装置を使っての研究に参加させていただいていました。
約1000個の青いビー玉がありました。1個だけ緑色でした。誰も気付きません。
100倍の数に増やして、仕分けしました。約10万個の青いビー玉。100個の緑色。100個あれば緑色のビー玉が混じっていたことに気付きました。
これを遺伝子配列でやっているのです。
PCRという反応をさせて、新型コ ロナウィルスに存在すると仮定した遺伝子配列を大量コピーして、検出したら陽性、検出しなかったら陰性。
つまり、PCR検査では『新型コ ロナウィルスに存在すると仮定した遺伝子配列があるかどうか』が解るわけです。
一方で、感染とはある微生物が増殖するようになった状態。
たとえば人間は常在菌をまとって生きていて、大腸菌や皮膚の表在細菌が常にいて、正常な場合は何も症状が出ない。存在するけれど、感染ではない。
でも、免疫がうまく働かない場合、皮膚では本来常在菌であるはずのアクネ菌が増殖し炎症をおこしてニキビになったり、黄色ブドウ球菌が化膿を引き起こしてグチュグチュする。この場合は普段は常在菌だけど増殖した微生物が存在するし、感染しているという。
PCR検査でわかるのは、ぬぐった鼻の奥や唾液に新型コ ロナウィルスと思わられる遺伝子配列をもつ何かしらの微生物が存在した…ということ。
存在していても増殖していなければ感染とはいえない。無症状ならなおさらPCR検査陽性でも感染力のないものをたくさん含むと思うのです。
コ ロナウィルスは変異しやすいし、新型と従来型のコ ロナと違いがつくのか?常在レベルなのか感染レベルなのか?
とにかくPCR検査の数を増やそう的な動きがあるけれど、少なくともその違いをはっきり判別できないならPCR検査はコ ロナ感染症の感染の有無の目安にはなれど、診断には適さないと思うのです