6月28日

道議会・予算特別委員会にて建設部所管事項にて、釧路市の鉄道高架事業について質問。

現在、釧路市が計画している駅下の道路をL字型バス専用道路ではなく、災害対応の観点から直線にする計画に変更するよう事業主体である北海道から市に対して助言アドバイスするよう求めました。

現在、検討されている釧路市の鉄道高架事業は、鉄道と駅舎の事業主体は北海道で、それに伴うまちづくりは釧路市が決定します。

北海道は、釧路市の事業計画に基づいて鉄道と駅舎の事業を行います。

そもそも釧路市では私の記憶している限りでは、過去2度に渡り、鉄道高架事業が検討されてきたが、いずれも地元の財政負担が大きいなどの理由で断念されてきました。

しかし、2011年、東日本大震災が起こり、また千島海溝型地震に伴う津波の被害想定が出されて、津波の被害から釧路市民を守るため、平成30年に「防災等の新たな視点を含む釧路駅周辺のまちづくりに関する提言書」が発表された。

その提言書には、釧路駅下の道路は南北直線に結んだ方が鉄道スクリーンをいち早く超えるという防災効果が確認されている。

それにも関わらず、その後の検討協議会で、にぎわい創出を理由に、駅下道路をL字型バス専用道路にするというのである。

私は市役所の考えている現状認識で、そもそも大きな見解の相違があると考えます。

市は、これまでクルマ中心のまちづくりをしてきたから今の中心市街地の疲弊に繋がったと言います。

しかし、どうでしょうか?

私が思うところは、北大通が疲弊した主な要因は、二つのイオンが郊外に進出した、北大通の百貨店やデパートが時代の趨勢とともに消えていった、クルマ社会になった地方都市では、クルマで行きやすい商圏に行くようになった、それは広い駐車場でしかも無料パーキング、ワンフロアで買い物のほとんどを済ませることができる郊外型デパートいわゆるイオン。

はっきり言って、北大通に少しでもにぎわいを取り戻したいのであれば、むしろクルマで来やすくする交通網を形成しなければ来ない、人と公共交通を中心とした中心市街地と市は言いますが、バス路線は充実しているのか…?

にぎわいを創出するためには、そこに人が行く魅力があるのか、用事があるのか、行ってみたいと思う地域なのか?駅前に広場を作ったところで本当ににぎわいが創出されるのか…。多くの疑問だけが残ります。



さらに言うと、北大通と新橋共栄大通を一直線につなげることは、長年の釧路市民の悲願である、と言われる市民が多くいること。

私は関係する新橋大通、共栄大通、北大通、南大通のお店をまわってご意見を伺いました。

9割以上の方は、道路はまっすぐにつないで欲しい、北大通からは、L字型道路バス専用の道路よりも道はまっすぐで、北大通にはパーキングメーターを設置して欲しいなどの声が多く聞かれました。



過去2度に及ぶ釧路市の鉄道高架事業の断念、そして三度の検討。

北海道新幹線も2030年が延期の方向で新幹線が通る小樽や八雲などの新駅建設もこれから。

厳しい経営状況に置かれているJR北海道は、新幹線も通らない釧路駅舎を新しく建て替えることは、極めて困難であり、この防災対策を主眼とした鉄道高架事業が実施されなければ、駅の建て替えなどは夢のまた夢になります。(なぜなら鉄道高架事業に伴うJRの負担は総事業費の4%のみで済むためであり、高架事業もやらないでJRが釧路駅を自社単独で行うことはあり得ません)

釧路市にとって、今回の鉄道高架事業は、まさに100年に一度の大事業です。

この大事業において、釧路市民の民意が反映されていない街の形は、将来に禍根を残しかねません。

もちろん鉄道高架事業そのものに反対されている方もいるでしょう。

だからこそ、この事業は兎にも角にも市民の生命を守る防災減災最優先の事業でなければならないはずです。

私は、にぎわい創出そのものは反対ではなくむしろ賛成です。しかし、津波で犠牲者が出たら、にぎわいどころではありません。道路を直線にして、その上で、駅舎も新しくなり、魅力ある施設(ハード面)と地域の取り組み(ソフト面)が動き出すことで、もしかしたら、にぎわいが創出されるかもしれません。

このままでは、鉄道高架事業そのものが頓挫してしまいかねません。

市は、謙虚に市民の声を聴いて欲しい。

市役所の方々、(市長も含めて)この界隈のお店などから、お話を聴いたことがありますか?

釧路市に住んでもいない有識者?なる方々が言われていることは、必ずしも成功するとは限りません。

ここに住んでいる市民の声こそ、1番大切にされなければならない、と切に思います。

クルマで行きづらいエリアに人は集まりますか?