「 眠りの花を咲かせてはいかん」





「  お前の役目は、眠りの花を見つけたら

そっと 優しく起こす役目があるすけそ」





知らないおばあさんに、言われた言葉



私は、夢の中でね




リアルに言われたのは


この子



死に間際に、薫は思い出したんだ



もう 海の中で













そして、私はその薫の感覚さえ

まだ、思い出す由もない頃



生きていた薫と、同じ年の瀬の頃


私が、書いた言葉 


書いた記憶なんて、微塵のカケラもない



まだ幼い字の この頃に書いた言葉




自分自身で

私の心に平気で影を落とす言葉 


を なぜか書いていた








どんどん どんどん 落ちていく

どんどん どんどん 沈んでく




ただ 詩を書く感覚だけで書いた言葉




実家の 物陰なる箱の中にあったノート

見つけて読んだ瞬間 怖くなった



「 なぜ この頃の私が薫を知ってる?」



私が、一つ前の私


薫の存在に気がついたのは



指が滑り出すように

俳句を書いてから

 




そして 思った


だから 思った



感じたことを書く事は

知らないから、証になるのだと


不確かな自分の感覚に

確かさを、教えに導いてくれるたのは


過去の自分


その 過去の自分から引き継がれるのが

私の感覚なのだと




私の感覚は、正しくはないかもだけど

私の感覚は、間違えてはいない





ただ 人は


正しさから 正しさを学ぶことより


間違いから 正しさを学ぶ


間違えるから、間違いが分かる

間違えたから、間違いに気づく


間違えたから、正解に導かれる


間違いから、正しさを学ぶ


ように、人間は出来ているのだと


私は思う





何にせよ


普段 日ごろ


間違いや勘違いが多い私だからね




だけど、人は間違えては

いけない事がある



それは、もう取り返しがつかないこと



それは、人の命









 



おじき草


それは、眠りの花



















だけど 同じ怖いでも?