全く 気がついていなかった

 





2018年 6月7日


この日 よんどころない事情で
急遽 病院に行く事になった



朝から雨


雨に濡れる紫陽花が美しい季節







大きな 総合病院




傘を刺して歩き



病院に入る前





「  私を見て」


花に感情はある






「  私を見て」

自己主張が、激しい子もいる





「目の上のたんこぶ」



何かと目障りにされ邪魔になる物の例え


転んでも、たんこぶが出来れば大丈夫
ツバつけとけば、治るすけそ


祖父の言葉



人に殴られて出来た たんこぶは?


そんな疑問を、五歳の頃に持った事はない



私は、自分をおたわけだと
おばあちゃんに、手紙をかいた



○○○は、いつもおたわけです

おばあちゃん いつもおたんじょうびを
なんでくれないのか おしえてください


私は、嘘はつくけど
すぐ ばれるタイプ


でも 思ってもいない事は
逆に、意図も簡単に言えるタイプなんだ


まずは、自分を謙遜する


ワタシは、いつもオタワケです






同じ 五歳

ひらがなの悲しいお手紙を書いた
女の子の 享年




雨に濡れてる


まだ蕾で丸まっていた


この花だけが、なぜか気になる

「  私を見て」







思い出した

この日の私の動きを





一度 通り過ぎたんた

だけど、 来た道を
また戻り写真を撮り


そして 病院に入り
初診受付をするのに、待っていたら


Yahooニュース

ひらがなだけの悲しみあるお手紙のニュース

これを、目にした瞬間



人目を、憚らず
尋常でなく、号泣

涙と嗚咽が、止まらず
留めなく涙が、溢れてくる

鼻がつまり 息が出来ない

会話ままならず

鼻も噛めないから、息も詰まる






案内に来た 

若い男性事務の方に心配されたぐらい

涙が、止まらなかった


「Yahooニュースを見て」

訳が、わからない事を言い泣く私に

「 分かります 僕も涙もろいんです」

あのお兄さん 優しい人



あの日を境に、暫くは毎日
テレビでも取り上げられていた


だけど、私は見る事が出来なかったんだ

あまりにも残酷すぎて






そして、気がつかなかった

この花は、クチナシの花だ



死人に クチナシ



この クチナシの花は
私の物語に出てくる


今まで、クチナシの花を見た事がなかったと
昨年、見つけるまで そう思っていた



この時に、撮っていたのは


クチナシの花の蕾


本当に、気がつかなかった



この季節に、甘苦い香りを
抱きしめて、開花し始める花




生きてるのに クチナシにされた

この女の子の花





輪郭を、今は失ってしまった




加減を知らない 残酷な大人のセイで




殴るぐらいなら、殺してしまうぐらいなら


自分が、犯罪者になるぐらいなら


子供を

人目がある、安全な場所に捨ててください



どこかで、誰かが書いていた言葉




中途半端だと、壁の中には

他人は入れない



潔く、見守りながら


捨てたら


必ず 日本の福祉が子どもを保護してくれる



親は、見つかり次第


罪に問われても

子どもの命は、守れる



だけど、事情を話せば

必ず理解してくださる方は、いると思う



人を殺す罪より、我が子を捨てる

まだマシだと














小さな女の子が好きな花

私が、小さな頃を振り返るとね

シロツメクサが好きだった




なぜなら?

花冠が作れるから






シロツメクサの花の冠をつけると

お姫様になれるから


シロツメクサ草に、うっすらと
ピンクの色素が混ざる花は
更に、お姫様感が増す色になる



花?

今は大人になったから

花は摘まない
踏まない 切らないけどね

だって 花は生きてるから




ふいに、福寿草が咲いてた場所に
行きたくなり


今日、歩いていた




そうしたら 見つけてしまったの






誰かが、作って今はもう枯れている





シロツメクサの花冠を



このタイミングなのよ

「  私の感覚は、間違えてない」





その証を、今日見つけてしまったの





「花束と水葬」



この歌詞を書こうと思っていたら



見つけてしまったの









結ぶに愛



ひらがなだけの悲しみあるお手紙を書いた

可愛い女の子の名前





ゆあ と読む名前




YUA







ふと となりを見た


 







反対側に来た






Y




草むらに隠れるように、木の枝がある



人が見たら、ただの木の枝




そして 花冠



プリンセスが欲しいと言えない


クチナシされた






ラプンツェル?


髪の長いプリンセスが好き



だって ママの髪の毛が好きだから




プリンセスに憧れた


この子の想いノカタチ






「  ありがとう」


伝えてくれて




全てに 正しさはない私の感覚を

だけど、全てが間違いでもない私の感覚は



あたるも 八卦

当たらぬも 八卦なのだと



その どちらかの八卦か

分からない私の感覚に答えをくれる





ハチ




このCD ただ持っているだけだった



だけど、この姿



膝を抱えて丸まる姿

何かと誰かと重なる気がする




ボカロ


やはり 米津さんの声ではないから


あまり聴く気には、なれない





この歌の歌詞にあるの




ねぇ 神さま

私の事 殺してお願い

明日になる前に










この子の背景にあったかことは

それが分かるのは


近くにいた親しか分からない


だって 死人にクチナシだから




赦しを乞う為に綴られた大義名分が


母親の本として、出版されていたのを

初めて知った



この子の、ニュースはネットでも

私は見ることが出来なかった



ただ あれを五歳が書く?


それだけで、涙が止まらなかった

 





ニュースで、何気に耳には聞こえたけど



だから、何をされたかは

記憶には、曖昧であったんだ





やはり、ネットニュース


全部が、本当出ない事を踏まえても



「 風呂の中に、肌色の固まりが」



お風呂に閉じ込められて

水が入ったバケツに、この子が裸にされ

丸められていたのを


母親が見つけた時の事を



思い出し 嗚咽して過呼吸を出したと












目が覚めて



これは、今


3時49分に 知った








「 花束と水葬」



この子の中に、隠された



死人に口なし

 


生きていても、水の中に入れられ

クチナシにされた



最期の、この子の心の聲を


聞くがいい



だけど、母親であるあなたは

この歌詞の意味は、一瞬では

聞くだけでは、分からないから



だから、読むがいい









米津さんが、いつこの歌詞を書いたかは

分からないけど



この方の言葉を、お借りして

私が、この子の最期の声を代筆させて頂く