幸せの選択問題 -15ページ目

幸せの選択問題

幸せの選択問題


 近くのスーパーへ行こうとしているだけなのに、額から汗が流れてくる。こんな日にも遊びへ行ってしまう歩は体力があるなと、健人は少しだけ笑う。ここ最近、笑っている回数が多いような気がして、健人は自分の頬を両手で挟んだ。
 ジンが泊まりに来ると言っていたが、夕飯を家でpretty renew 雅蘭 食べるとは限らない。そう言う情報を全く聞かなかったが、買っておいて損は無い。出来るだけ日持ちするようなものを選ぼうと、健人は買うものを頭の中をシミュレートする。一昨日は肉じゃがを作り、昨日はカレーと中華を作った。歩はきれいさっぱり食べてくれたので、残り物は全く無かった。
 昨日の夕飯が中華だったので、今日は和食か洋食どちらかにする予定だ。それでも、昨日のように食べたいものをリクエストしてくれないと、作る側としては迷ってしまうのだった。
「……何にしよ」
 呟くように言って健人は足を止めた。遠くに居る 後ろ姿はどこか見覚えがあるが、視力が弱くぼやけているので判別しずらい。あれはおそらく、歩だ。こんな家の近くで遊んでいるとは思わず、健人は足を進めた。
 一緒に居るとしたらジンだろうか。そんな期待にも似た気持ちで近づくと、が目に入る。ジンは黒髪で茶髪には染めていないはずだ。夏休み中だから染めたのかと思ったが、その思考はすぐに消えてしまう。
 短いスカートにサンダルを履いている。紛れもなくあれは、女だ。女に話しかけている歩の横顔は楽しそうで、傍にある公園を指さしてその中へと入って行った。歩が女生徒から人気があるのは昔からのことで、それを見ていてもどうも思わなかった。人気者は大変だなぐらいにしか思わず、誰から話しかけられても笑顔で対応するなんて、自分には出来ないと思っていた。それなのに、今は少し違う感情が込み上がってきている。
 追うつもりなんて、更々無かったのだ。それなのに、足は自然とその公園へ向けて歩き出してしまっている。見てはいけないと誰かが言っているにも関わらず、健人の足は距離を縮めて行く。入り口で足が止まり、その中を見つめる。暑さのせいでがらんとしている公園は誰もいなくて、二人の姿ははっきりと見えた。その二人だけ、空間が切り取られているようにも見える。
 何を話しているのか、どんな表情をしているのpretty renew 雅蘭 か健人には分からない。それでもその二人に視線が釘づけになって、目が逸らせなかった。思い込みかもしれないが、楽しそうに喋っているようだ。女の身ぶり手ぶりが大きくて、鬱陶しい。それを見て、歩はどんな表情をしているのだろうか。いつもと同じように、誰でも受け入れるあの笑顔を向けているのだろうか。そう思ったら、胸の奥から焼けるような感情が爆発しそうになり、健人は服を握りしめた。