俺は9.11のちょうど5ヶ月前、
WTCの地下で取材をしていた。
ちょうど、9.11に飛行機がアタックしたのと
ほぼ同じ時間に。
つまり、俺が5ヶ月遅れでNYにいたら、
それともアタックが5ヶ月早かったら、
俺はすでにこの世にいない。
9.11の1ヵ月後、
ニュージャージーの
ニューアーク空港に降りた。
空港内は自動小銃を持った兵士たちで、
ごった返していた。
対岸のマンハッタンは、真っ暗闇だった。
その10日後、
今度は、炭素菌のマイアミエアポート。
土砂降りの雨の中、
大勢の人たちと、
いつ来るか見当もつかないホテルのバスを待ちわびた。
アメリカは元気がなくなっていた。
そして、戦争突入。
4年後、俺はまたNYに行った。
MSGでミック・ジャガーが
ボブ・マーレーの
「Get up Stand up」を歌った。
アメリカは元気を回復していたように見えた。
しかし、それは表面的なことだったような気がする。
今度はハリケーン・カトリーナに襲われていた。
アメリカは、
10年かかった。
それも、最悪の結末で。
俺は3.11以来、
とても具合が悪い。
雨に打たれる被災者を見ると、
炭素菌で冒された、
マイアミの俺の残像と重なる。
そして、今は、
俺の頭上には高濃度放射線物質の雨が降りそそぐ。
俺の自由が、
阻害されていることが不愉快でたまらない。
俺は、「Get up Stand up」を歌う。