聞いた話だ。
俺は、そいつのことをしらねーし、
そいつも俺のことをしらねー。
聞いた話である。
そいつは、
学生時代、
学年で、
いや、学校で、
1位、2位を争う馬鹿として、
とても有名な人物だった。
「あー、●●ね、あいつ馬鹿だよねー」
とか
「所詮●●だから」
と、なんつーか、
馬鹿の枕詞に引用されるよーなやつだった。
卒業して、
20数年。
そいつは、とても立派になり、
全国民が知っているよーな、
たくさんの有名な仕事を手掛けているらしい。
すごいことをしている。
なんでも、
同級生に向かって、
「俺は昔の俺とは違うんだ」
って言っているらしい。
しかし、
同級生って言うのは厳しい。
「つっても●●だろ?」
とか
「●●如きが」
とか
「相変わらず馬鹿であるなあ」
とか言われている。
大人になり、
大した仕事をやってても、
昔が、恐ろしく馬鹿だったせいで、
誰も尊敬してくれない。
ああ、三つ子の魂というのは、
恐ろしい。
全部、聞いた話である。