年賀状配達で思い出したので、
ちょいちょい、バイトのことを書こう。
つっても、俺は基本、
あまり労働したくないタイプの子供だったので、
数えるぐらいしか、バイト経験はない。
俺が生まれて初めて、
アルバイトというものをやったのは、
高校一年のやはり、
正月休み。
俺の学校は、原則バイト禁止だったのだが、
「金目当てではなく社会学習のため」
と、担任を説得し、
特別な許可をもらった。
俺自身も「金」には、
大した興味はなかったのである。
「働く」ということが、
どんなものであるか、
知りたかったのと、
ちょっと大人びたことを
やってみたかっただけである。
なぜかデパートで働くことになった。
なんでかな?
親か担任の斡旋だったんだろーな。
思い出せん。
俺が配属されたのは、
スキー用品売場。
人生初の労働であったが、
初日から、
面白いよーに、
スキーが売れた。
ガンガン売れた。
3日目ぐらいから、
俺は、一日100万円ぐらい、
スキーを売っていた。
売場の責任者である係長は、
俺がガンガン売るので、
裏で、ビンディングの取り付けに、
かかりっきりになり、
一日中、
売場に顔を出すことなく、
作業をしていた。
俺が売る、
社員のねーさんが会計をする、
係長が金具の取り付けをする、
というルーティンが自然と出来上がってしまった。
昼休みに、
食堂で、
大学生の兄さんたちが、
一服つけているのを見て、
ああ、俺も一服してーな、
というところを我慢して、
労働した。
高校生のバイトが一服つけていたら、
さすがにカリスマ高校生店員でも
首になっちまうからな。
俺は、バイト期間中の10日間で、
1千万円ぐらい、
スキー用品を売りさばいた。
バイトの最終日、
ギャラを俺に渡しながら、
係長が
「ゴトーちゃん、春休みも来てくれない?」
と、言った。
俺は丁重にお断りした。
もう、社会勉強したし、
カリスマ高校生バイトにもなったし、
俺的には十分満足したし。
何より、腹の中で、
「係長、そりゃ、都合がよすぎるぜ」
と、おもったからである。
俺がもらった、
人生初の賃金は、
時給250円。
10日間で、
1万5000円ぐらいだったのだ。
俺の売り上げの、
800分の1ぐらいのギャラ。
ああ、世の中ってそんなもんなのねと
シミジミし、呆れた。
1万5000円は確か、
当時、ラフォーレ原宿に入っていた、
アイランドなんとかっちゅー、
輸入衣料店でしか売っていなかった、
ブラックのコンバース・オールスター、
チャック・テイラーモデルに半分あてがったよーな
気がする。
ちがったっけな。
そして、俺のバイト伝説が始まったのである。