「レジャーにツキなし」

である。


ご心配無用!

俺はレジャーはせん。

せん、からして、ツキもへったくれもないのである。


俺が最後にレジャーをしたのは、

いつのことだろー?

忘れた。

それほど、レジャーに縁遠い。

まあ、毎日がレジャーみてえなものじゃねーか、

ゴトーちゃんよ、と言われればそのとおりである。


俺が、

子供の頃、

つまり昭和時代、

レジャー産業は盛んであった。

あたこちにレジャーランドが建てられた。


俺がよく連れられていって、

俺もお気に入りだった、

レジャーランドがあった。


中庭に遊園地があり、

動物園やプールもある、

総合レジャー施設であった。


観覧車の高さが低く、

大パノラマは一切見えず、

ランドの屋根しか見えなかった。

明らかな設計ミスであるが、

子供心としては、

それでも楽しかった。


動物園には、

カバもライオンもいた。

ライオンのオリに、

食いちからした、

ニワトリの死骸が散乱していたのを見て、

「ああ、ご飯はキレイにたべなきゃね」

と、子供ながらに、

おもったゴトーちゃんだった。


ところが、ある時、

新聞を見て驚いた。

その、レジャーランドが、

たくさんの負債を抱え倒産したという記事が載っていた。

更に、幼いゴトーちゃんにとってショックだったのは、

維持もできず、

引き取り手もない、

動物たちを射殺したというのである。


ああ、あのカバが……。

ライオンが……。


新聞の論調は、

凡庸なること甚だしく、

「動物までも犠牲に」

みたいな感じだった。


「いや、違う!」

と、まだ小学校3年生ぐらいだった俺はおもった。

もともと、動物たちは、

狭く汚いオリの中で、

ロクな飼育員もいない環境で見世物になっていたのである。

そして、そのようなずさんなレジャー施設を認可したのは、

行政である。

何故、新聞は行政に切り込まないのか!

と、憤りを覚えたのである。


俺は、ませたガキであった。

社会派、無頼派のガキであった。

なんせ、

4年生のときの作文のタイトルは
「オイルショックと便乗値上げ」だったからな。


それ以来、

レジャーランドの観客の笑顔の裏には、

どろどろした、

観てはならない、

汚い大人のやりとりを想像してしまうようになったのである。