Tがつれてきたのは、
Oというやつだった。
肩書きは、Sと同じ主任。
だが、しかし、Oは、
「価格の担当責任者」だという。
Oは、ドランクドラゴンの鈴木とそっくりで、
エヘラエヘラしたヤローだった。
ハスに構えていた。
我々の話を聞いていたら、
なにか苦笑したので、
妻がすかさず、
「笑い事じゃないわよ!」
と、一喝した。
Oは、
「じゃあ、今、ちょっと計算してきます」
と、言って、
Tと二人で裏へ引っ込んだ。
10分後、
OとTが戻ってきた。
Oがはじき出した計算によると、
あと5000安くするからどうだ?
ということだった。
「ほいじゃあ、これは?」
と、USBを差し出すと、
「つけましょう!」
と、あっさり。
「ほいじゃあ、これは?」
と、俺がちゃっかり選んだJVCのヘッドホンを差し出すと、
「こ、これはじゃあ、1000円で!」とO。
「えーーーーーー?」と俺。
「じゃあ、これもつけちゃいましょう!」とO。
やっと本来の家電量販店のあるべき姿に戻った。
結局、なんだかんだで、
USBとヘッドホンもあわせ10000円近くの値引きになった。
Tは瀕死であった。
俺のやり口は、
Tの世界観にはなかったよーだ。
配送の段取りや、
カード決済、
エコポイント等々の段取りや書類を書いているうち、
もはや店内も閑散として来ていた。
時計を見たら、
9時近かった。
冷蔵庫ひとつで、3時間以上も滞在してしまっていた。
最初の時点で、
TがSではなく、
Oを呼んでいれば、
もっとサクサクいったはずである。
Sの無意味なプライドに惑わされ、
時間を浪費したのである。
帰宅し、改めて、
領収書をみたら、
結果的に
「安値世界一」になっていた。
挑戦した甲斐があったな、K電機。
そーして、金曜日の決戦は、
終わったのである。
了