金曜日の世田谷の道は混んでいた。

皆、楽しいところにディナーでもしに行くに違いない。

しかし、俺と妻は電気屋である。


電気屋について、

他にいい商品がないか、まずチェックした。

しかし、やはり、俺の目には狂いはなかった。

昼間電話注文をした冷蔵庫より、

コストパフォーマンスがいいものは

なかったのである。


自分たちの「正解」を確認して、

電話で案内してくれたTを尋ねた。


Tは、

お笑い芸人のよーな顔をしたあんちゃんであった。

間違いがあってはならぬので、

Tと一緒に商品を現認し、

交渉のテーブルについた。


あ、そーいえば、

昼間電話で、

聞いた価格より、

1万円以上安くなっていて、

赤札に

「限界ギリギリっす!」的な文言が書かれていた。

何が、ギリギリっすだよ!

んなわけねーじゃねーか!


さて、テーブルにつくや、

Tは、

「もう一度倉庫の状況とメーカーの在庫確認します」

と、言って席をたった。

なかなかに真面目なヤローである。

10分ぐらいして戻ってきて、

「今、再度確認しましたら、

日曜日の午後には配達できそーです」

おお、そりゃ、ありがてーな、

よくやったT!

まあ、んじゃ最初から在庫あんじゃん、

ともおもったが、

ここはTの手柄にしてやることにした。

「やればできんじゃんT!」

と、褒めてやった。

Tは生真面目な青年であった。


「ほいじゃ、値段を相談しよーじゃねーか、Tさんよ」

と、俺が言うと、

見る見るうちにTの顔面は強張っていった。