一昨日の夜、
井の頭線の車内で、
俺の古くからのマブダチ、
木村タカヒロ君と、
「悪人」について話していた。
木村君は映画「悪人」を観たといった。
俺は、小説「悪人」を読んだといった。
木村君は「つまんなかった」といった。
俺は「何がなんだかわかんなかった」といった。
木村君は「悪いというメンタリティに対しての沸点が低すぎる」といった。
俺は「結局、俺のモラルにおいての"悪人"は誰一人でてこなかった」といった。
俺たちは「要するに、なんかガキンチョだよね。
世の中、喜怒哀楽の沸点があまりに低すぎるね」と着地した。
この映画や小説に触れて感動した、という人のことが、
俺たちには全く理解できなかった。
しかも、作者は、
「絶対に書いてはいけないフレーズ」を書いてしまっていた。
これは、編集者が気をつかうべきことだった、と思う。
俺たちは、
「やっぱ、梅川ぐらい迫力ないとね」
と、いいあった。
梅川昭美。
いわずと知れた、
昭和53年、
旧三菱銀行に強盗に入り
「ソドムの市」を繰広げた男である。
俺は当時、高校生で、テレビに釘付けになった。
この事件は後に、毎日新聞によって、
佳作「破滅」という本になる。
日本映画の金字塔
高橋伴明監督の「TATOOあり」が、
つくられた。
ランキング1位である。
主演の宇崎竜童氏の歌う挿入歌、
「ハッシャバイシーガル」を聴くと
涙がでてくる。
人は、どんな風に落ちていくのか?
何が善で何が悪なのか?
俺は、未だにわからない。
わからないから、梅川すら「悪人」だとおもえない。
俺は梅川研究を続けている。
「悪人」を読んで消化不良になったので、
今は、
これを読んでいる。
俺の心は「悪人」以上にささくれだっている。


