俺も何だか、腹が減ってきた。

しかし、もう疲れて、動けん。

亀も同様のようであった。


部屋を見渡すと、

出前のメニュー表があった。

俺はドミノピザを注文することにした。

すると亀が、

サラミを魚肉ソーセージに変えてくれという。

しょーがないので、

ドミノデラックスと、

魚肉ソーセージのハーフ&ハーフにした。

ドミノのねーさんは

「それは特注になります」

と、言っていた。

30分後届いたピザは、なんと5250円(税込み)であった。

デリバリーの子に聞くと、

「魚肉ソーセージ」を入れたせいで、

スタッフがスーパーに買出しにいかねばならんくなって、

そのマンパワーの料金も入っているのだという。

なので、通常より2000円高くなったのだ、と。


亀は金を持っていない。

「このバカ亀が!」と俺は激怒したが、

俺も腹が減っていたので、

俺は財布からなけなしの5000円札を出した。

しかし、250円足りん。

あ、アイホンだ。

俺はアイホンに「ぐるなび」のアプリを入れていたことを思い出した。

早速、5%引きのクーポンを見せた。

しかし、注文前でないと、ダメだという。

そこをなんとか!と俺は土下座した。

たかが、250円の消費税のために。

デリバリーの子は店長に電話した。

「今回は特別ですからね」

と、5000円ポッキリにしてくれた。


冷たくなったピザを食いながら、

窓から晴海通りを眺め、

俺は泣いていた。


振り返ると亀は消えていた。

(続く)