「パワーのある日」

である。


何度も言うが、

俺は現在、

リハビリ中である。

そして、先ほど重度の胃潰瘍も

患った。

パワーなどどこにもない。

一日フル稼働させたアイホンぐらい、

バッテリーがない。


しかし、

「パワー」といわれたら、

ここは前向きに考えなくてはいけないだろー。

ポジティヴ・ゴトーちゃんジャパンである。

パワー・トゥ・ザ・ゴトーちゃんジャパンである。


すなわち、俺が、

パワフルになれるかどーかで、

本日のパラグアイ戦に勝てるかどーかが

決まる、「絶対に負けられないパワフルな本日」である。

監督というものは、

かくも大変なものだにゃあ、

と今更ながらシミジミした。


さて、パワー。

それは力持ち。

力持ちと言えば、

本来、相撲取りなのだが、

いろいろあって

謹慎中なので、

ここは、ひとつ、

足柄山の金太郎に

声をかけたいと思う。


さしあたり、

俺は、夕方ぐらいに、

渋谷の和民に金太郎を呼び出そうと思っている。

何故、和民か?

先日からまた500円クーポンが増え、

もてあましているからである。


金太郎は、

まさかりかついで、

ロマンスカーに乗って上京する。

新宿で乗り換え、

渋谷まで出るつもりだった。


一方、俺は、

金太郎とせっかく逢うので、

美容室に行き、

ストレートボブにして、

更には、

ジル・スチュアートのピンクのチークで、

ほっぺに丸をかいてもらわなくてはいけない。

そして、前ノリで渋谷にでる。


東急ハンズのパーティコーナーで、

金太郎の前掛けを購入。

「またがり用の熊」を物色するも、

適当なものがなく、

しょーがないので、

シュタイフのテディ・ベアを購入。

思わぬところで、高く付いた。

カードのリボ払いが使えてよかった。


そーこーしているうちに、

待ち合わせの時間である。

俺は和民へ急いだ。

なんとか時間には間に合ったよーだ。

注文は金太郎が来てからと、

店員に告げ、

俺は、とりあえずカルピスソーダを頼んだ。

何も頼まないで待っているというもの気が引ける。

俺は生真面目・ゴトーちゃんジャパンだ。


しかし、待てどくらせど、

金太郎はやってこない。


そーこーしているうちに、

俺のアイホンに着信があった。

新宿の鉄道警察からだった。


なんでも、金太郎が所持していた

「まさかり」の刃渡りが、

基準値を超えていたらしく、

「銃刀法違反」の容疑で、

とっ捕まっているというのだ。


しょーがないので、

俺は、和民を会計し、

新宿へ急いだ。


ああ、シュタイフのテディベアがじゃまくせー。


新宿の交番につくと、

しょぼくれた金太郎が、

椅子に座っていた。

聞くと、ハローキティのバッグから、

まさかりがはみ出していたというではないか。

「バカやろう ! 金太郎 !」

と、俺が烈火のごとく叱ると、

ケーサツの人が、

「まあまあ、ゴトーちゃん、

金太郎も反省しているよーだから」

と、なだめてくれた。

しかし、まさかりは没収になってしまった。


金太郎は

「僕からまさかりをとったら何が残るの?」

と、泣きながら言うので

「熊がいるじゃねーか」

と、なだめると、

「熊だけじゃ金太郎らしさがなくなるんだよ」

という。


俺と金太郎は、

ケーサツをはけた後、

新宿の和民に移動。

「金太郎らしさとは何か」

について、一晩語り明かした。


そして、明くる日、小田原のホームセンターで、

俺と金太郎は、法律の範囲内のまさかりを購入した。

俺はリボ払いで支払った。