「小さなお手伝いをすると、
思わぬお小遣いがもらえるかも」
だそーだ。
そーなのか?
しかし、俺にとってのお小遣いとは何か?
そんなに簡単にお小遣いなどもらえる歳ではない、はずだ。
つーか、どちらかというと、
いや、全面的に
「お小遣いをあげなくてはいけない歳と立場」である。
そーなると、俺よりも、年配で、
はるかに金を持っている方からしか、
お小遣いをもらうほかない。
昼過ぎぐらいに、
家電がなる。
知らないおばあちゃんからの間違い電話である。
しかし、おばあちゃんは、間違いとわかっても電話を切ろうとしない。
おばあちゃんは寂しかった。
誰か話相手がほしかった。
俺はお年寄りの話が好きである。
おばあちゃんは、
戦時中のしんどかったこと、
戦後のご主人との二人三脚。
子供たちとの思い出を語る。
しかし、子供たちは、
すでに独立し、それぞれ家庭を持っている。
ご主人は3年前にお亡くなりになった。
大往生で、苦しまずに済んだのが、何よりだった。
ご主人が亡くなって、子供たちが財産分与で
揉めた。
いやになったおばあちゃんは、
銀行に全額信託した。
そんな感じなので、
最近は孫も寄り付かなくなった。
今、唯一の楽しみは
「カボチャの煮物のつまみ食い」
である。
そんなことを俺に延々と話すであろー。
そして、
「こんなに話聞いてもらっちゃって」
とかなんとかいい、
俺の住所をおせーろという。
すると1時間後、
俺のところに、
バイク便が届く。
差出人はおばあちゃんだ。
封筒の中身は現金。
「話を聞いてもらった御礼に」
と、一筆箋が添えられている。
金額は11111円(源泉込み)。
空欄の領収書と返信用の封筒(切手付き)も。。。
おばあちゃんはしっかり者であった。
たぶん、そんなことが昼過ぎから夕方にかけて、
俺の身に起こる、はずだ。