本日の俺の運勢である
「日常を打破する」で思い出したことがある。
大学四年生の頃である。
俺は
「就職したくねーな、
シュウカツすんのめんどくせーな。
どーすっかな。
赤ちゃんにもどりてーな」
と、真剣に悩んでいた。
で、遂に面倒くさくなった俺は
手相占いに進路を決めて決めてもらうことにした。
折りよく、そのころ棲んでいた自宅近所のスーパーに、
手相占いの兄さんが出店を開いていた。
お金もなかった俺は、
「500円分で、みられるところまでみてほしい」
と、兄さんに頼んだ。
兄さんは快諾してくれた。
しかし、兄さんはまだ見習い中らしく、
手相の本を読みながら、
俺をみてくれた。
すると、
「土に関係する仕事で成功する」
とか言う。
「それは、土建屋ということか?」
と訊くと、
「そーかもしれん」
と兄さん。
俺も兄さんも若かった。
「土と言えば土建屋」
ぐらいしか、
兄さんも俺も思い浮かばなかった。
なんの参考にもならなかった。
しかし、続けて兄さんは決定的なことを言った。
「君の手相は只者ではない」と。
確かに俺は「枡かけ」と言われる手相の持ち主で、
徳川家康なんかも、そーだったらしい。
で、兄さん曰く
「世の中が大混乱すると、大活躍できるよ」。
しかし、更に、
「でも、今のよーな平和な世の中では、活躍できん」
とも言われた。
ああ、500円損した、と思った。
しかし、貧乏学生の俺としては、
500円を有効利用したかった。
翌日、学校に行き、
先生に事の詳細を伝えた。
「先生、俺、土建屋で名を成すらしいよ !」
と、嬉々として報告する俺に、
先生は呆れ、失望し、
「お前馬鹿か」と言った。
そして、就職先が決まらぬまま、
無事卒業式を迎えたのである。