昨日サルベージした
「文化」の中にこんなものも含まれていた。
「少年期 母と子の四年間の記録」
光文社刊。
初版は昭和15年。
同じ屋根の下に暮らす
母親と倅が、
なんと母親のアイデアで、
往復書簡を毎日かわすよーになる。
倅が旧制中学に入学した、
1年生から4年生までの間、ずっと。
姉妹本に同母親著の
「幼年期」
というのもある。
当時は大ベストセラーだったよーだ。
朝日も文化評論家の西野孝次先生も大絶賛し、
「涙なくして語れない、母子の情愛」
とかなんとか謳っている。
あ、ちなみに倅が不治の病だとか、
継子だとか、そーいうありがちな、
不幸のエピソードは一切ない。
戦時下の恐怖と不便ということ以外には、
わりと元気な母子である。
倅、中学四年、17歳。
「第73信」より。
(倅は本書では「一郎」というベタな名前に設定)
「一郎から母へ
お母さまの意地悪さん、
僕があっぷあっぷしているのを
たのしんでいるなんて。」
これは、前日の母の書簡で、
一郎が試験でヒイヒイいっていることに対して、
母がからかって勇気をださせよーと、
冗談めいたことを書いたことに返した、
一郎の台詞である。
21世紀の今日に読むと、
相当気色悪いが、
いろいろあって、
そーいう時代に生まれた母子の手本のよーな
書物だったよーだ。
こんなものが、
人心を掴んでいた頃があったのだ。
そして、70年経った昨日、
古書店で、
母子の感動的で大事な記録は
105円で売られていたのである。
