押尾は今頃

たいへんなことになっているに違いない。


本日の取調室。


押尾はこんなことを言った。

「ああ、あのですね。

全部俺がやりました。

つーか、むしろ、俺がバリバリ主犯格っすね。

MDMAを東南アジアに発注しちゃったりしてね。

色んな奴に売りまくったっすよ。

死んだねーちゃんも、

偶然死んだっつーより、

俺が殺しちゃったみたいなもんっすよ。

でか、マジ殺っちゃいました。

あの日ね、そば屋行ったでしょ、俺。

そこでも無銭飲食したっすよ、俺。

んで、その帰りに路駐してた車のタイヤ、パンクさせて。

歩きマリファナして、ポイ捨てして。

チャリンコパクって、六本木ヒルズの手前の

家の中に放り投げちゃったっす。

あとは、なんだっけなぁ。。。

あ、立ちションもしたっす」


容疑を認め、

さらには、中学生の起こすよーな微罪まで

告白する押尾。


係りの人が色めき立つ。


「あ、本気にしたんすか?

ウソっすよ。

だって、今日はエープリルフールじゃないっすか」


容疑者にエイプリルフールはない、

ということを無邪気な押尾は知らなかった。


数々の微罪とともに、

新たな起訴状を作成されるハメに陥った。


押尾という人間は、そんな男である、と思う。