いろいろなことが

ありすぎて

ついつい思いを巡らせられなかったが、

押尾はオリンピックに

どう向き合おうとしていたのだろう。


もしかすると、

とても楽しみにしていたのかもしれない。

浅田の演技や上村の滑りを。

4年間、選手たちと同じように、

待ち望んでいたのかもしれない。


なんなら、バンクーバーまで、

応援に行こうと思っていたかもしれない。


浅田が滑る時間にあわせて

房内で押尾もトリプルアクセルを

やっていたのかもしれない。


「なにやってんだ! 座ってろ!」

と怒られながら。。


そんな押尾の思い虚しく、

オリンピックの応援もできないまま、

祭典はもうすぐ終わろうとしている。