http://ameblo.jp/turtlehaze/entry-10456143510.html の続き


一方、そうしたダイナミックな金額の経済犯と対照をなすのが、コンビニ強盗の類である。

これらには、さきほど申し上げた感慨は一切持たない。

ニュースで聞くだに、「どこそこのたれべえ容疑者は所持金328円しか持っておらず云々」。

明らかに、それよりは、私の財布のほうが余計にある。その上「住所不定」とくれば、私などは在所ある由、なかなかのものだ。


日本国では大岡越前守より以前から「火付け・盗賊」に対して非常に罪が重い。火付けの罪が重いのは、日本家屋は木造住宅が多いからだね。延焼するからね、八百屋お七みたいにね。

でもって、コンビニ強盗に押し入り、挙句、ガソリンを撒いて火付けて逃走なんてのは、ほとんど極刑だよね。


何が悲しいって、コンビニなんていうところは、コンビニエンス・ストアというぐらいで、高額商品を扱っていない、故に、レジに入っているお金も小額で、それをがむしゃらに鷲づかみしたところで、せいぜい数万円しかないことだ。実際、コンビニ強盗の成果はその程度しか報告されていない。しかし、罪状は「強盗」とても刑が重い。

なんちゅうの? 罪の重さと金額が割りあわないではないか。まあ、強盗しようなんて、思いつめている人間はコスト・パフォーマンスなんてこと考えないだろうしな。

それに所持金328円というのも合点がいかない。お金というものは、働かなければ、私のように日々刻々となくなっていくものである。しかし、大の大人が、もともと328円しか持っていなかったなんてことは、現在の日本ではあり得ないことだ。

うっかり20万円ぐらい、稼いでしまったりするからね。で、どんどん減りゆく残金はわかるとしても、なんとなく、7.8万円ぐらいになった時点で、ヤバイと普通の人間は思うと思うよ。まあ、東京のアパート1ヶ月の家賃分ぐらいまで、目減りしたらね。

コンビニ強盗はそのボーダー・ラインに気づかないのか、不思議でならぬ。


なおも納得できないのは数万円しか盗っていないコンビニ強盗が、何百億の経済犯より罪が重いことだ。別にコンビニ強盗がいいとは言っていないよ。そして、日本の法体系の不備とか、そういうつまらぬ議論をしているわけではないよ。


ここで学ぶべきは、何が「裕福」で、その「裕福」は本当に人を「幸福」にしてくれるのか、ということだ。(続く)