出版業界は大不況である。
俺の如き、無名の者などには仕事など回ってこねー。
仕事くる確率より、馬券が当る確率のほうがはるかに高いと思われる。
俺には気に入らねーことがある。
出版関係者の飲み会や忘年会での話題だ。
なんだか、知らんが、
ほとんどの会話が、
「あのアーティストの新譜良かった」とか
「あの映画観たほうがいいわよ」とか、
そんな話ばっかりだ。
もちろん、編集者みたいな職業は、
全方位的にいろんなことに興味を持っていないといけない。
しかし、本や雑誌の話題が一切出ない。
当然、「文学論」を戦わすなどということは、
全く起きない。
テレビ業界や新聞業界はどーなのだろー?
これだけ、本の話が出ないということは、
こいつら別に本好きじゃねーんじゃねーか? とも思ってしまう。
本、読んでねーもんな、若い編集者とか。
これじゃあ、売れるもんも売れねーべよ。
せめて自分が売っているものには愛着を持っていただきたい。
俺が敬愛する作家、高見順の
「近代文学史上最高傑作のブログ」(ブログってことはねーな、苦笑)、
『敗戦日記』にいろいろ玉条が書いてある。
何でも高見順は、
大嫌いな作家仲間に、
「お前、陶芸など見て芸術とか言ってんじゃねー、
俺たちの芸術は文学だ」
と、言われ、
高見は大嫌いにも関わらず、
二の句が告げなかったという。
俺の文章は芸術ではなく、
「演芸」を目指しているが、
まっこと、その通りだと思う。
なにか活字に携わっている人間が、
矜持を失っているような気がする。
プライドを失くして卑屈になっているものには、
健全なる人々は興味を持たない。
