楽器を使った呼吸筋を目覚めさせる練習です。
楽器をご用意ください。
1.基本的腹式呼吸の訓練(お腹べこべこ)
まずはお腹を自由に動かす練習です。上にえぐらず「真っ直ぐ」後ろに引きます。
1.最初の練習は「おなか」を一回打つ(凹ませる)ごとに一つの音を出す練習です。まずは二分音符で練習します。集中するのは「おなか」の動きです。
2.次に同じく「おなか」を一回打つごとに一つの音を出す方法で練習します。
3.それができたら、次の「八分音符」を、お腹を「凹む時」に一つ、戻る「凸の時」に一つ吹きます。これは「おなか」の訓練ですから細かい事にこだわらず「おなか」と音の同調を意識してください。 お腹の動きに集中して練習して下さい。「おなか」が凸の時も息が噴き上がることを実感してください。
慣れてきたら「おなか」の息で音が出ている感覚はだんだん消えていきます。ただ単に音が出る時に「おなか」がべこべこ動いているという感覚になります。
ここまでが「おなか」を自由に動かす訓練でした。「おなか」は自由に動くようになりましたか?
楽器を使って呼吸法の訓練をします。
そして
2.「一の呼吸」下腹を「引っ込めておいてから」音を出す
「お腹を引っ込めて」「息を吹き上げておいてから」「音を出す」練習です。この練習はいつも練習している方法です。
まず、楽に「おなか」下ろしておいてください。四拍カウントして四拍目に「おなか」を一回打って(凹ませる)そのまま吹き始めます。
それでは、この呼吸法で有名なヘンデルのアリアを練習してみて下さい
Lascia ch'io pianga G.F.Handel
息は吸い込まないで、リラックスして下りている状態から「ペコッ」とお腹を凹ませて演奏を始めます。休符で「お腹を下げて息を戻し」再び「お腹を入れてから」発音します。「息は吸わない」「ぽこっ」と戻るだけ。
スポーツの世界で「ドローイン」と言われる体幹の安定法がありますが、管楽器や発声の世界では昔から、正しい「腹式呼吸」で体をコントロールしていたことがよく分かります。ドローインで使われる筋肉は、腹筋群である腹横筋や内腹斜筋はもちろん、肺の底にあってなかなかトレーニングするのは難しい横隔膜筋、また腰痛の緩和や綺麗な姿勢を作るために必要な背筋群のひとつである多裂筋も同時に鍛えられます。