「ボイシング・ポイント」とは音を当てるイメージのポイントです。ポイントのイメージを明確に持つことによって、驚くほど自在に音色の変化を操ること ができます。音を当てるポイントを明確に意識することによって、適切な筋肉が働き、呼吸に関係した体のバランスがとれ、様々な音色の変化が生まれるのです。

 つまり各ポイントの意識が音色を作り出す「スイッチ」になるということです。このスイッチは「赤」これは「黄色」と明確に使い分けることが大切です。

 さらには、各ポイントの音色を混ぜて、無限の音色の表現が可能になります。

音楽表現における「表情」「感情」を強く想ったときに、あるポイントが特徴的に働くことがあります。その時の体の部分の働きを覚えておけば、結果、「表情」「感情」と「ボイシング・ポイント」との関連が理解できます。そうして反対に「ボイシング・ポイント」から「表情」「感情」を導き出すことも可能なるということなのです。

 音楽では、心に浮かんだ「イメージ」つまり原因が直接「結果」なのです。天才は心に浮かんだことそのままにいわゆる「思うがままに」演奏します。心と演奏の同化、距離のなさが理想です。

「天才の手法を全ての人に」

 表現から息づかいを見出し、テクニックに昇華する。息づかいのテクニックから音楽の表現を導き出す。管楽器だけでなく、全ての表現する行為にジャンルを問わず応用できるとても根元的なテクニックを学びましょう。