今日のまとめ

☑️腹式呼吸の訓練(純粋呼気の吹き上げ量の増加させる練習)


 それでは、実際の演奏のために、呼吸筋を目覚めさせ、体を演奏に適した状態にし、呼吸機能をたかめる運動を実践していきます。

 いわゆる、腹式呼吸の練習です。吸気時に腹がふくらみ、呼気時に腹が引っ込む呼吸です。この呼吸は誰でもしている、就寝時の無意識な呼吸ですが、起きているときにやろうとすると肩や胸で吸ってしまって、うまくできない人がいます。「吸う」は意識せず、「はく」ことから初めて、その反動で息がおなかに入っていくように感じてください。

 この呼吸は、ヨガ式の呼吸や気功などいろいろな健康法で取り入れられている呼吸法で、総ての呼吸運動の基になるもっとも大切な呼吸です。


1下腹を動かす練習


正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いて下さい。臍から下のお腹を入れたり出したり動かします。



2息を吐きながら下腹を動かす練習


同じく、正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いて下さい。

両手の平を下腹部に当てます。

お腹にゴムボールがあって、それをつぶすようなイメージでゆっくり息を吐きます。全部吐き終わったら、力を抜いてください。

もと有ったところにお腹は戻り、息は自然とお腹に入ります。

さきほどつぶしたゴムボールに、勝手に空気が入ってきて膨らむようなイメージです。これが腹式呼吸の基本です。まず吐く。そして息が自然に入ってくる。けっして、意識的に吸い込んではいけません。

5回行います。



3下腹から体の表面に沿って息を吹き上げる練習


正座または椅子に浅く腰掛けて、楽な姿勢をとります。顔は正面を向いて下さい。


両手の平を下腹部に当てます。


息を吐き下腹をへこませながら左手を体に沿って肩まで動かしてください。

息の力で手か肩まで移動していくイメージで行って下さい。


全部吐き終わったら、手をゆっくり戻しながら、その道を通って息がお腹に戻っていくように感じて下さい。

ゆっくり戻すのが大切です。

   

同じく、右手でも行います。

手の動きに沿ってらくーに息が出入りするのを感じて下さい。

息は戻すのであって、意識的に吸い込んではいけません。

上手くできていると、この辺で「アクビ」が出てきます。

交互に5回づつ行います。




6−1肩の上げ下げ(左右)


 楽な姿勢をとり、顔は正面を向いて、両手は体側に自然にぶら下げ、楽にお腹を楽に下ろしておきます。

 お腹から息を吐きながら、その息の力で動くように左肩を上げます。

 グランドピアノのペダルを踏んだとき、ダンパーが上がる時のようにお腹の動きと肩の動きが関連することを感じながら練習して下さい。

 息が無くなったら力を抜いて「ポンッ」と元の位置に戻ります。