アンブシュアの説明で分かりやすかったのはNHK交響楽団で活躍された「関根五郎」先生の
「唇と同じ形の息の通る穴を作るんだよ」
という説明でした
ファーカスの本では
「オーボエのリードのような穴」
と表現していました
その穴を「アパチュア」と言います
低音で大きく
高音で小さく
これは誰でも感覚的に納得できることです
これが「アパチュア理論」
ホルンの名手「フィリップ・ファーカス」の名著
「The art of brass playing」
で日本に紹介されました
アパチュアの変化は
*唇の引きとすぼめのバランス
(唇の突き出しの程度)
低音では突き出され、高音では平たくなります。超高音では過度な巻き込みを防ぐために再び突き出していく感覚になることがあります
*上下の唇の位置関係による息の角度の変化
(「低音は真っ直ぐ 高音になるに従って下に向く」というのが普通の人 稀に逆向きの人もいます)
一般的に下唇はとても器用に動くのでこのような変化の主導権を握りますが下降形で過度に動くと音自体が無くなるので注意が必要です
このため
「上唇にマウスピースを安定させてから下唇で隙間を決める」
というのが一般的です
しかし私は覚えたのが逆でした
これは教えてもらうまで知りませんでしたが、結構弊害はありました
まずリップスラーが苦手
音域の変化に段ができる
変化の境目でミスを多発する
等々
しかしこのアンブシュアを考え直した時に障害も出てくるのです
前回書いた①と②のタイプもそうですが人間どちらかに寄っているのです
下唇でコントロールするのは②のタイプ
上唇でコントロールするのは①のタイプ
自分の奏法を育てて行くというのは時としてこのバランスが乱れてしまうことがあるのです
これが「呪縛」との戦い