亀谷は音楽家か?

 

それとも楽隊か?

 

先輩に聞かれたことがあります

 

今ではほとんど聞かなくなった「楽隊」という言葉

 

小澤征爾さんがよく使うので聞いたことがある人もいるでしょう

 

「楽隊」というのは、演奏を生業とするものが誇りを持って自分を職人として捉えた呼称です。

 

音楽は自分の中では血肉であり当然あるものだという誇りと、それを「表現者の個性として外へ出す」のを潔しとしない美学があります

 

いつもクールで動じない職人の技が結果として、芸術となることから目を背け淡々と毎日の仕事をこなして行く姿が目に浮かびます

 

この美学は「ホルニストという仕事」というイギリスのホルン奏者の書いた本でとても上手く描かれています

 

ぜひ読んでみることをお勧めします

 

 

この楽隊的メンタリティーを上手く使う事で本番の演奏を上手く乗り切る方法があります

 

実際の演奏の現場では、演奏を、同じ時間を同時進行する「パラレルワールド」として意識することで上手に演奏することができます

 

1。「感動」とか興奮とか思い入れは演奏時の楽器のコントロールを台無しにします

 

2。いつも「冷静」に感情を入れずに音楽を作りきった時に安定した演奏は実現します

 

一つの想いが二つのワールドを同時に進行して行く感覚はとても役に立ちます

 

「二つの真ん中を」と言う人もいますが

「2に軸足を置き、「1の側に寄っても」軸足を直ぐに戻せる様にする」

というのが最良の方法です

 

「苦楽中道」という言葉があります

 

なんだか難しい話になったけど、プロの演奏家は自動的に行っていることです

 

練習でやりきったことは本番でメッチャあがって記憶がなくても自動的に演奏が終わっていたという経験は誰でもあることです

 

体が覚えているのです

意識のみでコントロールする事には限界があるのです

 

スイッチを入れたらほとんどの作業が終了していて、自分はそれを大まかにチェックしているというのが理想の姿です

 

なかなかできないんだけどね(**)