「呼吸法の理論を学ぶ」とは
「体」で行い
「感覚」で知覚することを
「言葉」に表し納得してまた
「感覚」に戻し
「体」で実行する
とても根気のいることです。
「言葉」にすることで記憶が固定し安定感が増します。
しかし、「言葉」にすることで言葉が一人歩きして違う方に行くことがあります。
注意が必要です。
そして最も気を付けなければいけないのが、
「聞きかじり」
最も多い「聞きかじり」は
「横隔膜のこと」
「横隔膜で支える」
「横隔膜で息を吐き出す」
これらは昔から言われてきたことで、
感覚的には「正しいこと」でしょう
「おなか」という漠然とした意識も多いです。
「横隔膜は吸気筋だから息を吐くとき完全にリラックスしていなければならない」
これはウソ。
時代遅れの理論がまかり通っている
呼気時に横隔膜の活性化が認められることは
「測定されている」
「一定量の息を吐き出す時」
その初期時には横隔膜は息が出ないように押し返してコントロールしている。その強さは中間地点で釣り合い「ゼロ地点」を通過した後は呼気筋群が息を押し出す力が強くなる。
「吐く息を横隔膜でコントロールする」
感覚的に納得できる
「横隔膜で支える」
これとってもわかりやすい
「息は胸を使わず横隔膜のみで吸う」
これは不可能
横隔膜は胸郭の下の端とくっついているので
横隔膜が下がると胸郭は広がります
「横隔膜を下げる」と「胸郭を広げる」はある意味同義語。
つながっているので。
「胸郭を絞る」と「横隔膜を上げる」は同時に起きる。
胸郭を絞るテクニックは上級者にとって欠かせないテクニックです。
胸郭のコントロールで可能になるテクニックがあります。
「吸気時に横隔膜は下降し次に胸郭が広がる」
これは正しい理解。
「お腹の次に胸に吸う」
みんなやっていること。
常識。
今更「完全呼吸」なんて大げさな。
「大きくて小さい音」
「柔らかくて固い音」
こんなことは不可能なのだが言葉では言えてしまうのです。
これが危ない。
「腹式呼吸は横隔膜でしか吸えない」
これも間違い。
腰やお腹の筋肉も吸気には使われます。
体全体の連携プレーを無視した理論をネットで見るたびに驚きますが、昔からそれでみんな上手くなってきたのですね。人間は反対のことを言われていても正常に表現できるすごい力を持っています。それはそれで結構なのですが・・・・全然結構ではない。
「聞きかじり」と「勘違い」で人を教えるのはとても怖いことだと思います。
昔、ある学校で一夜漬けみたいに色々なことを教えている現場を見たことがあります。悲しくなりました。また学生と一緒に授業も受けたことがあります。時たま素晴らしい授業が有るのですが学生が全く消化できていませんでした。残念。教えるのは本当に大変なことですが、打ちっ放しのゴルフ練習場でオヤジが余計なアドバイスしてくるみたいな程度の先生もいることは確かです。でも、そのオヤジに習ってぴったり合うと上手くなることもあります。偶然の運の良さも確かに有りますね。
しかし、教える側は常に学び。自身を検証して欲しいものですね。怒ってばかりいる先生も嫌ですが、なんでも良いよというのも困ります。