楽器の演奏時、歌唱時に、体の動きは西洋的な「体操」のようなイメージはどうしても邪魔になります
頭を感じるとか何かを固定するとか前提が間違っていると結論は出ません
理論の堂々巡りで結果は出ません
実験;
壁に左側の足と肩をぴったりくっつけてください
右足をあげてください・・・・
絶対に上がりません
右足を上げるためには体全体を左に傾ける必要があるからです
このように、まるごと一個の感覚が基本です
人間の体は「川の流れ」のようなものです
アンブシュアも呼吸も全て固定化することはできません
「形態」ではなく「状態」の意識を常に持たなければなりません
イメージ;
体は穴のたくさん開いた大きな「皮の袋」
体液がそれを充し、骨や内臓や目ん玉、脳みそが浮かんでいるのです
自分の本体意識は「皮」
(太古、地球上で「皮が生きるために色々な器官を自分の中に作り上げました」
これ、確か芸大の体育で野口三千三先生に初めてお聞きしたことだと記憶しています)
「個体発生は系統発生を繰り返す」
もともとは一体何だったか・・・
「母の胎内の卵細胞」
お父さんの精子が受精した瞬間に人間としての完成を目指して成長を始めます
初めは「一つの細胞」
命を内包した丸ごとひとつの存在
そのイメージだけで、リラックスとは何かがわかります
体を揺することで体感できるはずです
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ダーウィンの進化論は破綻をきたしていますが、一部の現象は確かに観察され生命発生発育の様子を見せてくれています。体の振る舞いを心がコントロールするということと視点が混同してもいけません。心をコントロールすることもあるのです。心のあるままにという人もいますが、心が間違っていることもあるのです。
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そしてここが大切なところなのですが、どこかに力を入れて体を動かす時、明らかな「声門閉鎖」が行われます
体を固くして動きの足場を作るのです
手をあげる時も身体中の筋肉が動き重心のバランスを崩したくさんの筋肉が働きます。その土台になるのが息の支えです。体の中にぽっかりと空いた空間を「声帯」と「仮声帯」が自動的に役割を果たして硬い足場を作るのです
ほとんどの人が、そんな簡単なことさえ知らないのです
これは武術で言われる「腰から動く」とか「抜く」とかの極意で表されることです
これを演奏に応用する一例として;
演奏時に体の余分な力を抜くには体に「何らかの吸気的傾向が出ること」
息を吸っている時の体の状態が現れる
横隔膜が下がり息を吸うように吹くことになる
弱音に適した奏法です
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1.息を細く口から吸ってみます
お腹が引っ込んで胸郭が広がり体が少し反ります
2.その体の動きをよく観察して
3.息を吸っている最中に体の動きを変えずに音を出します
体の動きはそのまま続きます
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管楽器はもちろん弦楽器でも打楽器でも鍵盤楽器でも驚くべき変化が体感できるはずです。
これがテクニックです